飛行機が空中で静止している!? 「パララックス効果」が生んだ錯視動画が2000万再生の話題に

  • 文:青葉やまと

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Egoreichenkov Evgenii-Shutterstock ※画像はイメージです

空を飛んでいるはずの飛行機が、空中で一所に静止している——。こんな変わった錯視動画がアメリカで撮影され、ソーシャルメディアで話題になった。

動画は水域の上を飛んでいるデルタ航空の飛行機を、別の機内から捉えたものだ。水域の上空にデルタ機が飛んでいるが、前進している気配が感じられない。

背後にはサンフランシスコ湾の南北を結ぶサン・マテオ=ヘイワード橋とみられる橋が架かっている。全長1万m以上にも及ぶ長大な橋の上空で、デルタ機は完全に止まったまま姿勢を保っているかのようだ。

時が止まっている!?

動画内の時間が動いていないのでは……とも一瞬錯覚してしまうが、カメラの視点は移動している。少なくとも撮影者を乗せた機の方は、動いていることが明白だ。また、橋上では多くの自動車が通常通りに通行しており、こちらも時間の経過を裏付けている。

動画は今年1月にX(旧Twitter)に再アップロードされ、40万回以上再生される話題に。この動画はもともと、機上で偶然にこの景色に気づいた乗客のウィリアム・マンディスさんが撮影し、米カリフォルニア州のABC7ロサンゼルスが昨年10月に紹介した。同局がTikTokで公開したオリジナルの動画は、現在までに2026万回以上再生されている。

動画に重ねられた音声では、スタジオのキャスターたちも興奮。「まるでSF映画から抜け出してきたかのようですね」「サンフランシスコ上空で、飛行機が宙づりになったかのようです」と映像を紹介している。

背景との位置関係が生んだ「パララックス効果」

もちろん飛行機は停止すると揚力を失ってしまうため、実際に空中に静止しているわけではない。この錯視現象は、「パララックス効果(視差効果)」として知られている。

動画では、映り込んだデルタ機が実際には移動しているものの、撮影者が乗った飛行機がそれより速い速度で移動している。このため、デルタ機が実際には前進しているにもかかわらず、撮影機から見た場合、デルタ機の背後に見える景色はほぼ変わらない。

橋のほぼ同じ地点がデルタ機と常に重なって見えることで、空中で同じ位置にとどまっているかのような錯覚を生んだ。

なお、今回の動画では飛行機が静止しているように見えたが、パララックス効果は反対に動きを付けたい際にも活用される。

例としてウェブデザインの世界では、手前にあるオブジェクトを速くスクロールさせ、背景をそれよりもゆっくり動かすことで、擬似的に画面に三次元の奥行きをもたらす演出手法が「パララックス」として知られている。

タネがわかってもまだ面白い

興味深い錯視現象を収めた今回の動画に、視聴者からは高い関心が集まった。動画のコメント欄では、多くの感想が寄せられている。

「パララックス効果か、素晴らしい映像だ」

「橋を基準にすると、飛行機は前へ進むはずだと考えてしまうからなんだね」

「この動画が気に入った。美しいね」

仕掛けがわかっても、まだ不思議な感覚が抜けないという人も少なくないようだ。めずらしい瞬間を見逃さなかった撮影者のマンディスさんのおかげで、ソーシャルメディアは不思議な視覚体験に沸き立ったようだ。

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  【動画】飛行機が静止した!?空中の一所に留まってみえるが…。

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@abc7la Your eyes are playing tricks on you! It looks like this plane is hanging in midair but it’s actually an optical #illusion called the "parallax effect." That's when you're moving past another moving object and it appears stuck. But some are calling it a "glitch in the <a title="matrix."" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/matrix.%22?refer=embed">#matrix." ♬ original sound - ABC7LA

 【動画】2000万回再生されたABC7 LA局の動画。