おなじ寝室で眠っているという仲の良いパートナーほど、相手のいびきは気になるもの。ハイクオリティなガジェット製品でおなじみのAnkerから、睡眠特化型イヤホン「Soundcore Sleep A20」が登場する。4月から予約を受付け、5月中旬の出荷予定だ。
A20は睡眠用のワイヤレスイヤホンで、眠りの邪魔になるノイズを軽減・遮断する。パッシブ・ノイズ・アイソレーション方式により、周囲の音を物理的に遮断する製品だ。イヤホン本体は非常に薄型で、耳の外への露出がほとんどない。横向きで寝た際にも、睡眠の妨げになりにくいデザインだ。
今回登場するA20では、2022年発売の「Sleep A10」を大幅に強化。バッテリー寿命が向上したほか、耳へのフィット感が増したことで、ノイズを一層遮断しやすくなっている。まずはクラウドファンディングによる製品開発サイト「Kickstarter」において、4月20日から予約販売を開始する。5月20日からは米Amazonでも購入可能だ。
二重密閉イヤーチップで、3倍の遮へい効果
音楽鑑賞用の高価格帯ワイヤレスイヤホンでは、アクティブ・ノイズ・キャンセリング方式が主流になっている。周囲の音を解析し、逆の位相の音を発生させることで、ノイズを人工的に打ち消す方式だ。
A20はアクティブ・ノイズ・キャンセリングこそ搭載しないが、遮へい性能の高いAnker独自の「Twin-Seal(二重密閉)イヤーチップ」を採用。1層式のイヤーチップとの比較では、ノイズ遮断効果が最大3倍になるという。さらに、ホワイトノイズや雨音、鳥のさえずりに波の音など、好みの音を再生可能。リラックス効果を高め、いびきなど不快な音を気になりにくいレベルにまで低減する。
向上したバッテリーにより連続使用が4時間延び、最大14時間を実現した。睡眠中に横でパートナーがいびきをかいても、軽減効果は一晩中持続する。
このほか、iOSとAndroid向けの睡眠記録アプリや、アラーム機能を搭載。快眠と心地よい目覚めを総合的にサポートする。アラームは自分にだけ聞こえるため、家族やパートナーを起こしたくない早朝にも最適だ。
通常のイヤホンとしても使ってもOK
睡眠特化型のA20だが、通常のイヤホンとして使用することもできる。音量50%で再生した場合、イヤホン単体で最大10時間、充電ケースとの併用で55時間の再生に対応する。
米テックメディアのCNETは、音質は既存モデルのA10に近いと予測。低音がやや控えめではあるものの、「予想よりもいい音」を奏でるという。ただし音楽鑑賞用よりは、オーディオブックなどでの使用を推奨しており、抜きん出た音質は期待しない方が良いかもしれない。
一方、米テックメディアのヴァージは、ライバルのBoseが競合製品「Sleepbuds II」の製造を終了したと指摘。睡眠用イヤホンの新型を探していた人々にとって、A20は心強いニュースとなりそうだ。
米メディアのZDネットは、「夜遅くまで大音量で音楽を流す2階の隣人」に悩む人々にとって、「失われた睡眠時間を取り戻す」チャンスになると紹介。「比較的ニッチな市場」向けではあるものの、久々の新製品の登場になるとしている。眠れない夜がストレスになっていた人にとって、吉報となりそうだ。
Kickstarterでは4月16日から、早期割引価格として90ドル(約1万3600円)で予約受付を開始する。日本への配送可否は現時点で案内されていないが、国内のAnker Japan公式サイトでは、既存モデルの「Sleep A10」を1万2990円で販売している。