既成概念を超えた角度から、隈研吾が日本建築の本質に迫る

  • 文:印南敦史(作家/書評家)

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【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『日本の建築』

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隈 研吾 著 岩波新書 ¥1,056

日本建築は、正当的で厳かな“遺物”を一列に並べ、それを唯一の系譜として神聖化してきたと隈研吾は指摘する。だがそうした一方的な捉え方では日本建築の本質はつかめない。それを不快に思うからこそ、改めて日本建築論を書こうと決意したのだという。独自の観点からひとつの歴史観へと到達するのは簡単ではないため、執筆には8年の歳月がかかった。しかし結果的に、その時間は強い信念へとつながっている。つまり本書は、決して類型的ではない独自の日本建築論となっているのだ。

※この記事はPen 2024年4月号より再編集した記事です。