巨匠たちが手がけた美しいデザインに出合える、『JAPANESE MODERN AND CONTEMPORARY』展へ

  • 文:Pen編集部

Share:

main.jpg

3月20日から4月8日まで、ギャラリー・カサデ(Gallery CASA DE)、サムウェア・トーキョー(SOMEWHERE TOKYO)、オブジェ デ アート(Objet d’art)の3つのデザイン/アートギャラリーが協働し、『JAPANESE MODERN AND CONTEMPORARY』と題した展示販売会を伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペースにて開催。各ギャラリーのコレクションから、1950年代〜現代までの幅広いジャパニーズデザインの作品が集結する。

ジャパニーズ・モダンのヴィンテージ家具を展示・販売

sub1.jpg
柳宗理が1967年にデザインし、曲木の技術で有名な秋田木工にて製作した「曲木椅子」。柳の作品の中でも現存数がとても少ない貴重なデザイン。
sub2.jpg
岐阜県の伝統的産業である提灯製造の技術とイサム・ノグチの発想から生まれた照明の彫刻「AKARI」。1950年代から35年にかけていくつものモデルが生み出されている。写真は「AKARI model 22N」。

「ジャパニーズ・モダンのヴィンテージ家具の魅力は、フランスやイタリア、アメリカを中心としたモダンデザインに影響を受けつつ、機能性と伝統美を兼ね備えた日本オリジナルのデザイン」と語るのは、本展のイベントコーディネーターを務めたオブジェ デ アートのオーナー、中里恭宏。1952年にイサム・ノグチが伝統的な提灯製造の技術を用いてデザインした和紙と竹からなる照明「AKARI」をはじめ、日本伝統の素材と技術を応用して製作された作品は、近年改めて世界的な注目を集めているという。

今回、オブジェ デ アートから展示されるのは、日本のモダニズムに大きな影響を与えたシャルロット・ペリアンをはじめ、坂倉準三、剣持勇、イサムノグチ、柳宗理など15品以上のヴィンテージ作品。サムウェア・トーキョーからは、内田繁や倉俣史朗のポストモダン期の作品ほか、日本人現代作家5名によるコンテンポラリー作品が展示・販売される。

sub3.jpg
藁作家・ARKOによるウォールスカルプチュア作品「A gust of wind on the cliff」。
sub4.jpg
作家・原嶋亮輔による、「Obake “a” “ùn”」と名付けられたフロアランプ。

剣持勇がデザインした手刺絨毯の復刻も 

本展では、ギャラリー・カサデによるアーカイブの復刻プロジェクトも披露。かつて京王プラザホテルの内装から家具、空間デザインまで、総合プロデューサーとして手がけた剣持勇がデザインした5種類の手刺緞通(絨毯)が、オリエンタルカーペット社により復刻。ホテルのメインロビーのためにデザインされたスクエア型のラグ3種とラウンド型1種、スイートルームのためにデザインされた格子型1種を展示・受注販売する。

sub5.png
1971年に撮影された、剣持勇によるオリエンタルカーペットの工房での絨毯の製品検査風景。 写真提供:オリエンタルカーペット
sub6.png
京王プラザホテルのメインロビー(同年撮影)。当時使用されていた絨毯が、ギャラリー・カサデのプロジェクトにより復刻。 写真提供:オリエンタルカーペット

時代を超えても魅了しつづける、日本独特の美意識が宿るインテリア・家具。その魅力を実感できるこの機会に、ぜひ会場へ足を運んでみてほしい。

『JAPANESE MODERN AND CONTEMPORARY』

開催期間:2024年3月20日(水・祝)~4月8日(月)
開催場所:伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペース
www.mistore.jp/shopping/feature/women_f2/thespace3_w.html