白のフレッシュ感と赤のような繊細なタンニンを併せ持ち、さまざまなシーンで楽しめるのがロゼの魅力。ますます人気が高まる中、プロヴァンスから”極めて”上質なロゼが登場した。その深い魅力をドメーヌの2代目オリヴィエ・フェイヤールに聞いた。
いま、ワインの最先端と言っても過言ではないのがロゼ。和食ブームなど食のライト化に伴い、ロゼは世界的に大流行、その人気にはますます拍車がかかっている。かつてはリゾート地のワインというイメージもあったが、世界各地で上質なロゼが造られたことで”ガストロノミックにもふさわしいワイン”として愛好家や専門家にも認識されるようになったのだ。
ファミリーの想いを結集した美しきロゼ
昨年、日本に初登場したプロヴァンスワイン「セント マルガリ―ト ファンタスティック ロゼ」もそのひとつ。フレッシュな酸味と豊かな果実味のバランスが絶妙で、洗練された味わいが印象的だ。造り手はトゥーロンに近いラ・ロンド・レ・モーレスに1929年に創業したセント マルガリ―トアン プロヴァンス。1977年よりフェイヤール家がオーナーとなり、エレガントなワインを生み出している。
セント マルガリ―トアン プロヴァンスの特徴は、なんといっても妥協のないつくりを貫き、常に最高品質を保持しているところだろう。ブドウはオーガニック栽培で、除草剤や殺虫剤などは一切不使用。2003年にはオーガニック・ビーガンの認証を取得し、コート・ド・プロヴァンスAOCでは唯一のビーガン認証を持つクリュ・クラッセ(1級格付け)の生産者として知られる。
ドメーヌの2代目でCEO兼醸造家のオリヴィエ・フェイヤールは語る。
「私の両親が風光明媚なこの地に惚れ込み、ワイン造りを始めました。大切にしたのは質のよい、健康なブドウを育てること。早い時期からオーガニック栽培に取り組み、また、セレクション・マサ―ル(畑の中の優良な株を選んで接ぎ木すること)を行って畑の個性を保つなど、あらゆる工夫を重ねてきました。フレッシュでフルーティー、ナチュラルな味わいは長年の努力の結果だと思っています」
その言葉通り、「セント マルガリ―ト ファンタスティック ロゼ」を口にして思うのは、”きれいな味わい”を強く感じることだ。プロヴァンスワインはときにアルコールのニュアンスを強く感じることがあるが、「セント マルガリ―トアン プロヴァンス」はひと味違う。どこか涼やかで、果実のピュアな味わいがストレートに伝わってくるのだ。潮風由来の微かな塩味も感じられ、”南仏の海辺のワイン”であることを物語っている。
「ブドウの収穫は夜明け前に行っています。日の光を浴びたままでは完熟が進んでしまう。ブドウを熱劣化から守るためですが、こうすることで酸をフレッシュなまま保つことができるのです」とフェイヤール。
---fadeinPager---
日本料理とのマリアージュが新鮮! 醸造家が考えるロゼのこれから
実は、フェイヤールは今回が初来日。見るもの、聞くものがすべて刺激的だったというが、特に感動したのが日本料理とロゼの相性のよさだったという。
「昨日、東京の割烹で会席料理をいただきましたが、刺身や煮物など、ロゼはすべての料理に合っていました。気づいたのは、日本料理は素材をとても大切にしていることです。私たちのワインも同じで、なによりブドウ本来の味を生かすことを第一に考えています。日本料理の精神と私たちのワイン造りの哲学に共通項を見出すことができ、とてもうれしく思いました」と笑顔を見せる。
また、ロゼの世界的流行についても聞いたところ、彼はこう話してくれた。
「ロゼは、多彩な料理に合うのはもちろんながら、いま多くのワイン愛好家が、ロゼはリゾート地においてだけでなく、日頃から親しめるワインであることに気づき始めました。今後もこの傾向は続き、さらなる発展を見せるでしょう」
淡いパールピンクの色合いは、見ているだけで気分を上げてくれる。午後のひと時、あるいは夕暮れのアペリティフ、そしてディナーまで、美しい色合いとフレッシュ&フルーティーな味わいが、普段のなにげない時間を華やかに彩ってくれるのだ。
「まずは、ロゼを1杯、気軽に楽しんでみてください。きっと誰でも魅了されるはずです(笑)」
ペルノ・リカール・ジャパン
TEL:03-5802-2756
www.pernod-ricard-japan.com