キース・ヘリング展から坂本龍一トリビュート展まで【今月の展覧会2選】

  • 文:住吉智恵(アートプロデューサー)

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ポップアートが叫ぶ、いまなお未解決の社会問題

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『沈黙は死』 1989年 中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

「アートはみんなのために」という信念のもと、地下鉄駅構内やストリートなど日常にアートを拡散させ、社会への強いメッセージを発信したキース・ヘリング。エイズによる合併症により31歳で世を去るまで、社会に潜む暴力や不平等、エイズと同性愛への偏見と支援不足に抵抗する作品を発表し続けた。80年代ニューヨークの喧騒を想起させる展示空間で時代の空気を体感しつつ、いまなお分断されたままの社会に横たわる未解決の問題に思いを馳せたい。

『キース・ヘリング展 アートをストリートへ』

開催期間:~2/25
会場:森アーツセンターギャラリー
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル) 
開館時間:10時~19時(金、土は20時まで) ※入場は閉館の30分前まで 
定休日:無休
料金:一般¥2,200
https://kh2023-25.exhibit.jp

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未来へと受け継がれる、唯一無二の芸術家の創造性

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毛利悠子『そよぎ またはエコー』2017年(部分) 『札幌国際芸術祭2017』展示風景 photo: SASAKI Ikuya

2023年3月に逝去した坂本龍一は、黎明期よりインターネットに関心を寄せ、メディアテクノロジーの導入を行ってきた。ライゾマティクスの真鍋大度を共同キュレーターに迎える本展では、カールステン・ニコライ、高谷史郎、毛利悠子、李禹煥(リ・ウファン)など国内外のアーティストによる坂本の芸術的志向を未来へと受け継ぐ作品や遺されたデータを活用し制作された、真鍋らによる新作も展示。唯一無二の芸術家へのトリビュートを新たな創作を通して表現している。

『坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア』

開催期間:~3/10
会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]
TEL:0120-144199
開館時間:11時~18時 ※入館は閉館の30分前まで 
定休日:月曜日(祝日の場合はその翌日)、2/11
料金:一般¥800
www.ntticc.or.jp

※この記事はPen 2024年3月号より再編集した記事です。