豊かな自然に交わるカルチャー、カルガリーには学びと冒険が待っている

  • 文:青山 鼓
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緑豊かな手つかずの地球の姿と、モダンな高層ビルがくっきりと対比する面白みがカルガリーの魅力のひとつだ。 (C)Tourism Calgary

息をのむような雄大な大自然と、その歴史上の成り立ちから多様性に富んだバックグラウンドを持つ人々が暮らすカナダ。なかでもエコツーリズムが盛んなことでも知られる北米有数の大都市であるカルガリーは、旅行者に豊かな体験と楽しみを与えてくれる。2024年4月4日には成田からの直行便が再開。いま最もホットなデスティネーションを紹介したい。

豊かな自然と深遠な先住民の叡智、そして州最大の都市

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カルガリー中心部からほんの30分も車を走らせれば、そこには起伏に富んだ大平原が広がる。(C)Erik McRitchie

カナダ西部に位置するアルバータ州は、3000m超級の山々が連なる世界遺産カナディアン・ロッキー、ダークスカイ保護区(Dark Sky Preserve)として漆黒の星空を観察でき、カナディアン・ロッキーを望むマリーン湖で有名なジャスパー国立公園、また荒涼とした大地の広がるバッドランドなど、雄大な自然とともにさまざまな体験ができるエリア。州内にはジャスパー国立公園を含む5つの国立公園があり、ウインタースポーツやトレイルウォークなどのアクティビティに留まらず、ウッドバイソンやビッグホーンシープといった野生動物と出会える環境も整えられている。

また同州には、ファースト・ネーションズと呼ばれる北米先住民族の集落が48、メイティと呼ばれるファースト・ネーションズとヨーロッパ人の混血子孫である先住民族の集落が8つあり、民族の血をひくガイドから、何千年もの間この地で生き抜いてきた祖先たちの文化や豊かな知恵を学ぶこともできる。地域の自然環境や歴史、文化を保護することを目的としたエコツーリズム先進国であるカナダの、サステイナブルな旅行スタイルも心に刻みたい。

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高層ビルが立ち並ぶダウンタウン。多くの民族が生きてきた歴史から人々はフレンドリー。観光者を温かく受け入れる。(C)Shawn Parker

そんなアルバータ州の玄関口とも言えるのが、カナダ有数の経済都市であり人口140万人のカルガリー。石油産業で発展してきたカルガリーは、年間800万人以上の観光客が訪れる、活気あふれる街。カナディアン・ロッキーまで約80kmと極めて近い高原地域に位置し、カウボーイの祭典「カルガリー・スタンピード」の開催地としても知られ、治安のよさも観光客を集める理由のひとつ。

ロッキー山脈を見渡せるランドマークであるカルガリータワーや、絶滅危惧種の野生動物を保護する取り組みを積極的に行っているカルガリー動物園、カヌー遊びやアイススケートなどが楽しめる市内中心部にほど近い川沿いのプリンシズ・アイランドパークなど、市内にも見どころは豊富だ。

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クラフツマンシップを、履いて、飲んで、知る

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上:西部開拓時代を感じさせるヘリテージ・パークは、カルガリー市街地から車で15分ほどの場所に位置する。(C)Heritage Park Historical Village 下:アルバータブーツカンパニーではウエスタンブーツだけでなく日常履きできるカジュアルなブーツも製作。(C)Travel Alberta / Roam Creative

カルガリーと、都市を取り囲む雄大な自然を持つアルバータ州について触れてきたが、旅の拠点となるであろう市内での体験も、豊かな旅行のためには欠かせない。まず訪れるべきは「ヘリテージ・パーク(Heritage Park Historical Village)」。カルガリー市街地近くにあり、1860年初頭の毛皮貿易の時代から現代に至るまでの歴史をうかがえるテーマパーク。寄付などによって集まった工芸品など50,000点の品々、複数のテーマ別に再現された街並みが西部開拓時代の様子を物語る。

また、カルガリーに残るクラフツマンシップを間近で触れることができる「アルバータブーツカンパニー(Alberta Boot Company)」の工房も立ち寄りたい。王立カナダ騎馬警察のブーツも手がける1978年創業のブーツメーカーで、ダウンタウンのブティックではその製作工程も見学することができる。素材はすべて天然皮革。グッドイヤーウェルト製法、コルク加工されたミッドソール、スチールのアーチサポートといった伝統的なこだわりを守り続け、そして「わたしたちの使命は、あなたのユニークな旅にオーセンティックなアルバータブーツを履かせること」と言い切る。もしカルガリーを訪れるなら、スーツケースにはブーツ1足分のゆとりが必要かもしれない。

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豊かな自然があるからこそできるアルバータのクラフトビールにも注目。170以上種類があるので飲み比べてもいいだろう。(C)Travel Alberta / Colton McKee

世界中のあらゆる情報に瞬時にアクセスすることができるようになった現代において、その地に行かないと真価を体験できない文化のひとつが「食」だ。アルバータ州ならではの素材といえば、カナディアン・ロッキーの恵みである氷河水と、広大なプレーリーで育った麦。そう、この地を訪れたならぜひ味わってほしいのが、州内に170以上あるという醸造所でつくられるクラフトビールだ。ラガー、ペールエール、IPA、そしてピルスナーと、多様なスタイルのビールを楽しめる。ディナーではブランド牛であるアルバータビーフのステーキをぜひ。やわらかい赤身肉は独特の食感が記憶に残る逸品。カルガリー市内のファーマーズマーケットを訪れ、ローカルの食文化に触れてみるのも面白そうだ。

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恐竜アドベンチャーで5億年の“時間旅行”を

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上:バッドランドと呼ばれる、この荒涼とした不毛の大地で、数多くの恐竜化石が発見されている。(C) Stevin Tuchiwsky 下:バッドランドで発掘された恐竜の化石を世界最大級の規模で展示するロイヤル・ティレル古生物博物館。(C)Travel Alberta / Mike Seehagel

カルガリーから北東に110km離れたドラムヘラーには、毎年約50万人が訪れる博物館がある。「ロイヤル・ティレル古生物博物館(The Royal Tyrrell Museum of Palaeontology)」だ。アルバータ州で発見された恐竜の化石や古生代カンブリア紀ウリューアン期(約5億800万年前)の古代生物の試料、標本を10万点以上管理している研究教育機関でもある。T・レックスをはじめとする35体もの恐竜の全身骨格の復元像が動きのあるポーズで立ち並ぶ1階フロアは圧巻。地球誕生から現在まで、46億年にもおよぶ生物の進化の歴史を肌で感じられるスポットだ。カルガリーからドラムヘラーに向かう道中にある「ホースシュー谷(Horseshoe Canyon)」は、多数の恐竜の化石が発掘されたエリアであるバッドランドを見渡せるビューポイント。地中に眠る恐竜たちに想いを馳せながら眺望を堪能してはいかがだろうか。

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恐竜化石発掘体験もできる州立恐竜公園は、風化と浸食で形づくられた奇岩、フードゥが迎えてくれる。(C)Travel Alberta / Scott Bakken

ドラムヘラーの街から南東に約150km先にあるユネスコ世界遺産登録の「州立恐竜公園(Dinosaur Provincial Park)」は、現在も化石の発掘が進められている世界屈指の場所。ロイヤル・ティレル古生物学博物館の発信基地であるフィールドステーションもあり、化石の展示だけでなく恐竜研究のガイドツアーも開催。恐竜化石発掘体験も行われている。恐竜化石が埋まる地層を自分の足で探索できる機会はなかなか貴重だ。ロイヤル・ティレル古生物学博物館同様に子どもたちへの教育活動を積極的に行っており、年齢層別にデザインされた、ガイドによる多種の教育プログラムが用意されている。園内の「恐竜ウォールテント(Dinosaur Wall Tent)」はベッドや電気ヒーター、ファイヤーピットを備えており、快適なキャンプが可能だ。

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魅力あふれるアルバータの旅が、もっと身近に

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ウエストジェット航空にて成田からの直通便が再開。アルバータ州カルガリーがいままでよりも手軽に、身近に。(C)WestJet

2024年4月4日から東京とアルバータ州カルガリーを結ぶ成田空港からのノンストップ便が再開する(カルガリー発は4月3日から)。機体はボーイング787ドリームライナーで、ビジネスクラス、プレミアムクラス、そしてエコノミークラスの3クラスを用意。西部カナダ・アルバータ州での旅は、温かな人々のなかで多様な価値観と壮大な地球の歴史に触れる心の冒険。自分を高める一生モノの体験がそこにある。

ウエストジェット航空

東京(成田)〜カルガリーノンストップ便
2024年4月4日より運航再開
www.canada-alberta.jp