カメラと写真映像の祭典『CP+』に出展するシグマの会場で、写真表現について改めて考える

  • 文:久保寺潤子

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シグマの展示ブース内で新作を発表する写真家・濱田祐史の実験的な作品。

写真や映像の楽しさを見て、触って、仲間と共感できるCP+。今年も2月22〜25日の4日間、パシフィコ横浜とオンラインにて同時開催される。カメラ・写真愛好家はもちろん、日常的にスマートフォンで写真や動画を撮影・加工し、SNSで楽しんでいる人まで幅広く楽しめるイベントだ。

さまざまな角度から写真と映像の魅力を探る

今回のCP+で注目したいのがシグマによるブース。1961年創業のシグマは一貫して良質な撮影道具をつくり続けており、世界中の写真家や映像作家による信頼も厚い。会場ではシグマのカメラやレンズを実際に試せるほか、さまざまな角度から写真や映像の魅力を紹介する。まずは同社が保有する写真集のコレクションを一般公開。長い年月をかけて収集した約4,000冊の蔵書の中から、アートブックショップPOSTの中島佑介がセレクトした。今やスマートフォンで誰もが手軽に写真を撮れる時代だが、改めて写真表現の変遷を時系列に沿って辿ることで、「写真と表現」について考える機会となるだろう。

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世界中の貴重な写真集を収集したシグマの膨大なコレクションから厳選された。

同時に写真家・濱田祐史がシグマのカメラ及びレンズで撮り下ろした新作『Color Collection』も展示される。濱田は2020年のコロナ禍で、すべての生き物の生命力と時間の流れを感じながら植物園で撮影を続けてきた。プリントされた写真の一部を漂白し、流れ落ちる色を採取することで意外な色と形を発見するという実験的な試みだ。

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デジタルで撮影したデータから制作されたインクジェットプリントを一部漂白し、写真に写った白い紙に採取した濱田の作品。

2月24日には写真家・濱田祐史、写真集の選書と会場の監修を手掛けたPOST代表・中島佑介、シグマ代表・山木和人の3人によるトークステージ「それぞれの視点から見る『写真』」が開催されるほか、多彩なトークプログラムを予定。この機会に「写真を撮ること」についてじっくり向き合ってみてはいかがだろう。

 

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CP+はカメラおよび関連機器の展示会。主催はカメラ映像機器工業会で、2010年より毎年開催されている。

 

CP+(シーピープラス)2024

開催場所:2024年2月22日(木)〜2024年2月25日(日)
開催場所:パシフィコ横浜
神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1
開催時間:10時〜18時 ※最終日のみ〜17時、2月22日(木)の一般来場は12時〜18時
入場無料 ※下記リンクより事前登録が必要。
https://www.cpplus.jp/regist/