能作文徳と常山未央の展示から釜浅商店による料理道具講座まで【Penが選んだ今月のデザイン】

  • 文:猪飼尚司(デザインジャーナリスト)

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1.腐敗と再生を繰り返す菌になぞらえ、新たな生態系としての建築を見つめる

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関連書籍『アーバン・ワイルド・エコロジー』もTOTO出版より同時刊行される予定。

「URBAN WILD ECOLOGY」と称し、都市の中に野生を取り戻す取り組みを続ける建築家の能作文徳と常山未央の活動を伝える展示が、ギャラリー・間で始まっている。自宅兼事務所である「西大井のあな」の再現にはじまり、中庭では、伝統の木組みと土の生産力、太陽エネルギーを融合した実験プロジェクトを展開。さらに、ふたりがこれまでに手がけた全プロジェクトを図面、写真、模型で紹介するなど、盛りだくさんの内容になっている。

『能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)― 複数種の網目としての建築』

開催期間:~3/24
会場:TOTOギャラリー・間
TEL:03-3402-1010
開館時間:11時~18時
休館日:月曜日、祝日(2/11は開館)
料金:入場無料
https://jp.toto.com/gallerma

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2.目利きがとことん教える、いい料理道具の選び方&使い方

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講座では、産地の特色や職人たちの思いなど、道具の背景までも知ることができる。

「良い道具には良い理(ことわり)がある」という考えのもと、良質な料理道具を紹介する1908年創業の東京・合羽橋の釜浅商店が、京都芸術大学と提携。数々の名品を扱ってきた目利き、釜浅商店4代目店主の熊澤大介が講師となり、料理道具に関する広く一般に向けた公開講座を開催する。包丁の特徴と選び方にはじまり、各種料理道具の扱い方や手入れなど、自分に合った適切な道具を見つけ、うまく育てていく術を学ぶことができる。

『熱狂!育てる料理道具学─ 永く良い信頼関係を築くために─』

日程:2/10、2/17、3/9(ウェブ講座)、3/16(釜浅商店合羽橋店でのワークショップ)
※HPより要申し込み
料金:¥18,000
https://air-u.kyoto-art.ac.jp/gakusha/learning/G2345561

※この記事はPen 2024年3月号より再編集した記事です。