ワインやジン、どぶろく......ますます盛り上がる、東京の角打ち&立ち飲み酒場へ!

  • 写真:よねくらりょう
  • 取材&文:齊藤素子

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予約困難の人気店に念願叶って訪れた時の喜びはひとしおだ。だが、気軽に立ち寄れる個性豊かな立ち飲み&角打ちの魅力には抗い難いものがある。自由自在に進化する小さな店でほっこりしたり、つまみのおいしさに感激したり、酒についての認識を深めたり。そこには多くの発見や楽しさがあふれている。さぁ、肩の力を抜いて楽しもう。

Pen最新号は『東京がおもしろい!』。都市は新陳代謝を繰り返し、常に変化し続ける。世界屈指のメガシティ、東京はなおさらだ。アフターコロナのいま、気がつけばあちこちで新しい動きが起きていた。世界中の人々を惹きつける新旧混じり合うこの都市で、いまどこへ行くべきか? 2020年以降オープンのショップからクリエイターたちのお気に入りまで、東京の“ いま”がここにある。 

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ワイン好きの心をゆさぶる、個性豊かなワインバー

【神泉】 ネーオ

つまみとワインでつい長居、人気イタリアンの立ち飲み店

予約困難な人気イタリアン、アウレリオの次の一手は予約不可の立ち飲み店。人とのつながりを大事に、ナチュラルワインとイタリア料理をもっと気軽に楽しんでほしいというオーナー大本陽介の思いが結実した店。常時20種類ほどのグラスワインを提供、岡崎佳輔シェフとアウレリオチームによるつまみも充実。「カキとカーボロネロのグラタン」(¥1,600)、「タリオリーニ うさぎのラグービアンコ」(¥1,800)とくれば、杯を重ねるしかない。

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東京都渋谷区円山町15-6 URBAN COURT SHIBUYA 1F
TEL:090-6015-5960
Instagram:@neo_hokuro

【幡ヶ谷】 キッチンかねじょう

近所はもちろん海外からも、いつも賑わう立ち飲み小食堂

幡ヶ谷の6号通商店街に佇む“飲める”小食堂。ビストロやスパイス料理店で腕とセンスを磨いた店主の上松晃大・菜穂夫婦が営む店だ。ナチュラルワインと焼酎を上松の故郷・鹿児島から届く魚や肉を使った料理とともに味わえる。「サブジ」(¥350)等の惣菜、「ヒラスズキとキウイのタルタル」(¥1,100)、「ポークメルゲーズとクスクス」(¥1,200)はクセになるおいしさで、菜穂さんが焼くパンとともに酒に寄り添う。週一の朝ごはんも人気。

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東京都渋谷区幡ヶ谷2-47-1
TEL:03-6276-1514
Instagram:@kitchen_kanezyo

【渋谷】 テンキ

自由な発想と経験値でつくる、進化系天ぷらとワインを味わう

自由でストリート感あふれる居酒屋のベースは、進化系の天ぷらと白ワイン。海外の多様な揚げ物の要素を融合させ独自の天ぷらに仕上げるのは、都内のフレンチやパリで研鑽を積んだオーナーシェフの亀谷剛。スペシャリテの「海老」(¥1,400)は海老のすり身で包んだ海老にアメリケーヌソースを忍ばせ、「帆立」(¥1,400)の衣はセモリナ粉を使う。豊かな発想と高い技術で記憶に残るひと皿に仕上げた料理には、酸の効いた白ワインがはまる。

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東京都渋谷区桜丘町29-27 2F
TEL:03-6427-0503
Instagram:@tenki_shibuya

【経堂】 go-to wine shop & bar

国内唯一の専門店で、NYワインの魅力にはまる

NYで暮らす中でNYワインの魅力を知り、その輸入・卸販売を行ってきたGO-TO WINEの後藤芳輝・由華夫婦。10年目を機に、満を持してバーを併設したショップをオープン。ワインフライト(飲み比べ)も、「おそうざい盛り合わせ」(¥770)、「ローストビーフ」(¥990)などとともに楽しめる。低アルコールで口当たりも軽やかなNYワインは現代のライフスタイルや料理とも好相性。夕食用やプレゼント用にNYワインを買い求める人が急増中。

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東京都世田谷区経堂1-26-15
TEL:03-6413-7610
Instagram:@gotowine.kyodo

【東銀座】 パ・ロワン

レストラン級のおつまみも!ほどよい距離感が心地いい店

淡路の珪藻土で覆われた壁がワイナリーのカーヴのようで心地よい7坪ほどの小さな店は、新富町のビストロ シンバが手がける立ち飲みメインのワインバーだ。約300本のナチュラルワインをストック、グラスワインも20種類ほど。「田舎風お肉のパテ」(¥1,500)、「シンバ特製ブイヤベースリゾット」(¥1,800)といったシンバで仕込み、店で仕上げるつまみはレストラン級。店名は仏語で「遠くない」の意。あらゆるほどよい距離感に癒やされる。

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東京都中央区銀座4-14-2 XCD銀座ビル 2F
TEL:080-5828-4141
Instagram:@pasloin_bar_a_vin

【神楽坂】 メゾン・ティ

伝統製法のシャルキュトリーを、グラスワインとともに

30年以上、家禽類を扱ってきた鳥新が手がけるシャルキュトリーのセレクトショップ。仏・バスクやオーベルニュを中心にヨーロッパ産の生ハム、サラミ、パテなどを販売。バスク豚を20〜24カ月熟成させた生ハム「ジャンボン キントア」はじめ、店内のカウンターでは原木からスライスしたての生ハムや惣菜をワインとともに味わうことができる。「盛り合わせ」(¥1,000)や「キッシュ」(¥990)も人気。待ち合わせ、帰宅前、休日の昼飲みにも。

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東京都新宿区神楽坂6-28 MTビルII 1F-2
TEL:03-5579-8354
Instagram:@maisont2023

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ジン、ラム、どぶろく、酒の世界を広げてくれる店

【兜町】 平和どぶろく兜町醸造所

醸したてのどぶろくが10種類、飲み比べも楽しいカウンター

金融の街・日本橋兜町で、出来立てのどぶろくを味わうことができる。和歌山県に蔵を構える平和酒造が、日本酒の原点といえるどぶろくの魅力を伝えたいとオープンさせたブルワリーパブ形式の店だ。どぶろくは米・米麹・水を発酵させてもろみを漉さずにつくる酒で、店内の醸造スペースで約2週間かけて醸される。出来立てのどぶろくは微発泡でフレッシュな味わい、もろみの粒感と優しい甘さで飲みやすい。プレーン、小豆、ホップ、栗やサツマイモなど季節の素材を使い、常に10種類ほどのどぶろくが楽しめる。

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和歌山の食材を使ったおつまみもお薦め。「金山寺味噌とクリームチーズのクラッカー」¥450、「山利しらすと大根おろし」¥450、「サバ寿司 2貫」¥550

東京都中央区日本橋兜町8-5 KITOKI 1F
TEL:03-6264-9457
www.heiwashuzou.co.jp/wordpress

【蔵前】 NOMURA SHOTEN

グラス1杯からボトルまで、蒸留酒にはまる立ち飲み

“バーとドリンクを通して食の多様性を拡張する”というビジョンのもと、さまざまな酒体験を提供しているバーテンダー野村空人がオープンさせた、リカーショップ併設の立ち飲み店。野村がイメージしたのは、店の斜向かいにある銭湯、三筋湯からの湯上がりの一杯。もっと蒸留酒の魅力を知ってもらいたいという思いから気軽に飲めるグラスで立ち飲みに。お気に入りに出合えたらリカーショップでボトルも購入できる。兜町のホテルK5にあるcaveman監修のつまみは蒸留酒の最高のお供。人々が集う店は、町の景色に溶け込んでいる。

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「ラム焼売」¥550、「舞茸のコンフィとフムス」¥800、「パッタイ」¥1,300

東京都台東区三筋2-5-7 カミヤミスジクラマエ1F
TEL:03-5846-9755
Instagram:@nomura_shoten_tokyo

 

【蔵前】 きみどり

600本を試飲&量り売り、斬新なスタイルで蒸留酒を身近に

店内の壁にずらりと並ぶのはウイスキー、ジン、ラムなど国内外の蒸留酒、約600本。希少なボトルも多く含まれるが、すべて有料で試飲可能の量り売りを行う酒販店なのだ。店主はバーテンダー歴20年の森本隆介。知識がないと楽しめないという蒸留酒のイメージを払拭し、ハードルを下げて気楽に来てもらうため、14時にオープンする試飲&量り売りの店を始めた。豊かな香りがわかる独自のていねいな試飲を体験して蒸留酒の魅力にはまる人も。30㎖から購入可能で、専用のスキットルも販売。手ぶらでふらっと訪れたい。

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明るい店内。試飲は10㎖。

東京都台東区浅草橋3-25-5 ペリエ浅草橋 2F
TEL:03-5823-4237
https://kimidori.shop-pro.jp

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セレクトショップで新感覚の角打ち体験

【神楽坂】 SHOPPE

築62年の民家を改装、買い物も楽しめるネオ角打ち

建築家のクマタイチが新宿区山吹町につくったのは、かつてはこのあたりにも存在した昭和のコンビニのような店。グローサリーの楽しさをもち、角打ちに人が集う個性豊かな店だ。モノもインテリアになりうるのではないかという建築家ならではの発想でつくられたコンパクトな店内には、さまざまな楽しみと発見が詰まっている。月1〜2回のペースでイベントも開催。ふらりと立ち寄る地元の人々だけでなく、イベントでは多くの人が集まる小さな店は、新たなコミュニティーの場として定着しつつあるようだ。

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ワインと味わいたい「TESIOのスーパースパム」¥850、「チキンピクルス」¥850

東京都新宿区山吹町345-6 シェア山吹町 1F
TEL:080-3700-3448
Instagram:@shoppe_tokyo

 

【代々木】 寄(よせ)

五感を心地よく刺激されながら、“蕎麦前”という粋を堪能

グラフペーパーをはじめ3つのショップで構成される複合施設の1階にある、寄り合いをコンセプトにした店。スタイリッシュなコの字型のカウンターで提供されるのはナチュラルワイン、焼酎、ジンなど多種多様な酒と、“蕎麦前”をイメージして居酒屋の名店から“寄せた”つまみ、京都の人気店subaの蕎麦メニュー。高音質で流れる音楽も心地いい。同空間内のベクターショップではファッショングッズ、アートブック、レコードなどを販売。感性を刺激する食とカルチャーのセレクトショップで、軽やかに酔いたい。

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タップから注がれるオリジナルの「寄 Italian Pilsner」(ハーフ¥880)は、食中酒をイメージしてフルーティーさを抑え淡い苦味を残した。缶もあり。「温からし豆腐」¥715、蕎麦出汁を使った「だし巻きライム玉子」¥880

東京都渋谷区代々木3-38-10 1F
TEL:03-6381-6131
Instagram:@yose_tokyo

 

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