![ブライトリング_フォーマット.jpg](/uploads/d26f00c908ff3212ad1e16b1ebd53464ac385400.jpg)
連載「腕時計のDNA」Vol.4
各ブランドから日々発表される新作腕時計。この連載では、時計ジャーナリストの柴田充が注目の新作に加え、その系譜に連なる定番モデルや、一見無関係な通好みのモデルを3本紹介する。その3本を並べて見ることで、新作時計や時計ブランドのDNAが見えてくるはずだ。
今年創業140周年を迎えたブライトリングは、プロフェッショナルのための計器を標榜し、特に航空の世界において絶対的なポジションを確立する。だが真価はそれだけではないことを証明したのが、2017年夏にCEOに就任したジョージ・カーンだ。長い歴史と膨大なレガシーに触れ、改めてブランドの魅力を掘り起こしたのだ。このリブランディングにより、コレクションはエアー(空)、シー(海)、ランド(陸)のセグメントに分類され、ひとつに偏ることなく、それぞれ明確にキャラクターが打ち出された。そんな3本を紹介しよう。
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新作「アベンジャー B01 クロノグラフ 44 ナイト ミッション」
![22_Breitling Avenger B01 Chronograph 44 Night Mission_Ref. SB0147101i1X1_RGB.jpg](/uploads/22_Breitling%20Avenger%20B01%20Chronograph%2044%20Night%20Mission_Ref.%20SB0147101i1X1_RGB.jpg)
大胆なカラーが目を引くモダンパイロットの新作
「アベンジャー」は2001年に誕生。ブランドアイコンの「クロノマット」をベースに、よりタフネスでボリューミーな力強い存在感で人気を集めた。さらに13年には「アベンジャーⅡ」にリニューアル。シェイプアップし、装着感も向上した。最新作は自社キャリバー01を初搭載し、パワーリザーブを約70時間に向上させながら、ケースにはセラミックを、リューズやプッシャー、ケースバック、バックルはチタンを採用し、軽量さと堅牢性を併せもつ。
ブランドらしさを主張するのが独自のライダータブだ。これは、ベゼルの四方に設けたタブによってグローブを着けた指先でも容易にベゼル操作ができ、さらに張り出すことで風防を前面の衝撃から守る。新作はデザインをより洗練させ、ステンシルを思わせるアクティブなインデックスともスタイリッシュに調和する。
現在エアーのセグメントは、1930年代から40年代の黎明期を築いた「クラシック アヴィ」と、50年代から60年代に誕生した「ナビタイマー」があり、「アベンジャー」はそれに次ぐモダンパイロットに位置づけられる。栄光の空の系譜を伝えるコレクションだ。
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定番「ナビタイマー B01 クロノグラフ 41」
![AB0139211B1P1_Navitimer 41_Black_Still Life_RVB のコピー.jpg](/uploads/330bf0c77b81fab107a58e25785906a5e1a50d2b.jpg)
ブランドを代表する王道パイロット・クロノグラフ
ブライトリングを代表する機能が、さまざまな航法計算のできる回転計算尺だ。1952年にAOPA(国際オーナーパイロット協会)のために開発し、2年後これを搭載した初の時計として「ナビタイマー」が誕生した。以降、時代の最新技術で磨きをかけ、熟成を続けつつ、基本を崩すことはない。これもブランドのアイコンと呼ばれるゆえんだ。
現行モデルは、自社キャリバー01を搭載し、精度と信頼性を高めるとともに、文字盤をリデザイン。AOPA公式クロノグラフの証しである初代オリジナルロゴを復活させたほか、カレンダーを6時位置の12時間積算カウンターに統合し、加えて従来のタキメーターを省いたことですっきりとした印象になった。なめらかなカーブを描くボンベ風防を採用したモダンレトロなスタイルだ。
黒文字盤と白カウンターの組み合わせは、歴代シリーズでも人気が高く、クロノグラフの王道の風格があふれる。コレクションの名は「ナビゲーション」と「タイマー」に由来する。それはプロのパイロットを支える相棒から、日常をともに過ごし、人生という旅をさらなる充実の時に導いてくれるアイコンに進化したのである。
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通好み「スーパーオーシャン オートマチック 44」
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60年代のダイバーズがモチーフ
空のイメージの強いブライトリングだが、海の世界にもいち早くアプローチした。いずれも非日常の世界への憧れと冒険心を刺激し、技術への挑戦という点で共通するからだろう。初のダイバーズウォッチが1957年に誕生した「スーパーオーシャン」だ。
当時、海洋や深海の学術探査が本格的に始まり、スポーツダイビングにも大きな関心が集まった。そのライフラインとして本格ダイバーズウォッチへの高まる要求に応え、当時としては画期的な200m防水を誇った。その後、ダイビングがレジャーとしても広がるなかで60年代半ばに登場した「スーパーオーシャン スローモーション」を、最新モデルではデザインモチーフにしている。
秒針を省くとともに、通常の分針が1時間で1周して経過時間を伝える斬新なクロノグラフ機構を備え、そのゆっくりとした針の動きから「スローモーション」と名付けられた。文字盤には外周のダイヤルリングとのコントラストを強調したカラーを採用し、ユニークな個性をアピールしたのだ。現行の「スーパーオーシャン オートマチック 44」ではこのカラーパレットと、先端が四角形になった象徴的な分針を再現。鮮やかなカラーリングは水辺の日差しを受け、ビーチやプールにも美しく映えるのだ。
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陸・海・空を軸とした盤石のコレクション
前述したように、現在コレクションは3つのセグメントに分けられ、上記のエアーとシーのほか、ランドには「プレミエ」や「トップタイム」を位置づける。さらにこのセグメントを横断し、オールパーパスの「クロノマット」と、プロフェッショナルの「エンデュランス」などを設定。これらをヘリテージとモダンという横軸でマトリックス的に埋めていくことで、多彩でありながらも理路整然とモデルを展開する。その戦略は、まさに盤石と言えるだろう。
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柴田 充(ライター)
1962年、東京都生まれ。自動車メーカー広告制作会社でコピーライターを経て、フリーランスに。時計、ファッション、クルマ、デザインなどのジャンルを中心に、現在は広告制作や編集ほか、時計専門誌やメンズライフスタイル誌、デジタルマガジンなどで執筆中。
ブライトリング・ジャパン
TEL:0120-105-707
www.breitling.com
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