東北から生まれた民間仏の展覧会から印象派絵画の展示まで【今月の展覧会2選】

  • 文:河内タカ(アートライター)

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みちのく3県に伝わる、簡略に表現された民間仏の魅力

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『山神像』 江戸時代 兄川山神社/岩手県八幡平市

青森・岩手・秋田の3県に伝わった約130点の仏像・神像を紹介する展覧会。展示されているのは高い技術をもつ工房で制作された精巧で厳かな仏像や神像ではなく、写真の『山神像』のように、その土地の大工や村の人たちの手によってつくられた、かわいらしく素朴でユニークなものばかり。柳宗悦の民藝運動にも通じるような、人々の暮らしに寄り添ってきた“用の美”としての民間仏を集めており、東北の厳しい風土の中から生まれたホッコリする造形が楽しめる。

『みちのく いとしい仏たち』

開催期間:~24/2/12
会場:東京ステーションギャラリー
TEL:03-3212-2485 
開館時間:10時~18時(金曜日は20時まで) ※入場は閉館の30分前まで 
休館日:月曜日(1/8、2/5、12は開館)、12/29~1/1、1/9
料金:一般¥1,400
www.ejrcf.or.jp/gallery

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フランスから海を渡った、アメリカの印象派画家を紹介

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ジョン・シンガー・サージェント『キャサリン・チェイス・プラット』 1890年 油彩、カンヴァス ウスター美術館 Gift of William I. Clark, 1983.36/Image courtesy of the Worcester Art Museum

米ボストン近郊にあるウスター美術館は、19世紀末の開館当初から印象派の作品を積極的に収集してきたことで知られる。本展はモネやルノワールなど本家フランスの印象派絵画を中心に、ドイツや北欧の画家、ロンドンやパリを中心に活動した米国人画家サージェント、日本で紹介される機会が少なかった米国人の印象派画家ハッサムの作品など、同美術館が所蔵する珠玉の印象派コレクションで構成される。うれしいことに展示作品のほとんどが初来日だ。

『印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵』

開催期間:1/27~4/7
会場:東京都美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9時30分~17時30分(金曜日は20時まで) ※入室は閉室の30分前まで 
休館日:月曜日、2/13(2/12、3/11、25は開室)
料金:一般¥2,200
https://worcester2024.jp
This exhibition was organized by the Worcester Art Museum

※この記事はPen 2024年2月号より再編集した記事です。