名作椅子100脚が集結! 椅子研究家・織田憲嗣のコレクションとともにたどるデザインの100年

  • 文:Pen編集部

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2月29日(木)から日本橋髙島屋にて、『椅子とめぐる20世紀のデザイン展』が開催される。アール・ヌーヴォー、バウハウス、ミッド・センチュリー、イタリアン・モダンまで、20世紀100年におけるデザインの変遷を、椅子研究家の織田憲嗣によるコレクションから厳選した100脚の名作椅子とともにたどる内容だ。

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アントニ・ガウディ 「カーザ・カルベットのアームチェア」 c.1900 撮影:Kentauros Yasunaga(以下同)。

1972年から織田自身が収集、研究してきた20世紀の優れたデザインの家具と日用品たち。「織田コレクション」は、北欧を中心とした名作椅子1350種類をはじめ、テーブルから照明、テーブルウエア、木製の玩具など約8千点を所蔵。その稀少性と研究実績から、世界的にも高い評価を得ている貴重なコレクションだ。通常は、北海道旭川にある東川町複合交流施設「せんとぴゅあ」でしか目にすることのできない織田コレクションだが、この度、東京都・日本橋髙島屋で開催される本展にて公開される。

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左:ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ 「バルセロナ・チェア」 1929年。 右:アルネ・ヤコブセン 「チェア3130」(グランプリ) 1957年。

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時代を超える名作を通して、「美しいデザイン」を考える

本展の見どころは、100脚の名作椅子を案内役に、20世紀100年のデザインの変遷を年代順にたどることができ、食器から家電製品までの幅広い「生活デザイン」を鑑賞できるという点だ。暮らしの日用品や椅子のデザインには、その時代の精神や科学技術の進展が反映され、一点一点のディテールや機能性の変化を、実物を見て感じとれるだろう。

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左:ヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルト 「ガラス・コンテナ・ブロック『クブス』」 1938年。 右:テオ・シュムッツ=バウディス 「食器シリーズ『セレス』」 1913年。

会場には、「時代を象徴する部屋」として、家具や食器類、照明をコーディネートした空間が5つの時代ごとに展示され、映像や音楽を交えながら、その時代のデザインと暮らしを体感できるコーナーも。また、名作椅子に座って、実際に座り心地を体験できるのも本展の魅力。

アール・ヌーヴォーの流行とともに幕を開けた20世紀のデザインはその後、バウハウス出身のデザイナーが活躍したモダニズム(1910〜30年代)、戦後復興と科学技術によりデザインが大きく進展したミッド・センチュリー(1940〜50年代)、そして斬新なデザインが生まれたポストモダン(1960〜90年代)へと変化を遂げてきた。その延長線上にある現在の視点から、時代を超越して輝き続ける名品たちを通して、「美しいデザイン」とは何かを考えてみるのもおもしろい。

『椅子とめぐる20世紀のデザイン展』

開催期間:2024年2月29日(木)~3月18日(月)
開催場所:日本橋髙島屋S.C. 本館8階ホール
入場時間:10時30分~19時(19時30分閉場)
※最終日3月18日(月)は17時30分まで(18時閉場)
入場料:一般 ¥1,200

※巡回予定
大阪髙島屋 7階グランドホール
2024年3月27日(水)~4月14日(日)
ジェイアール名古屋タカシマヤ 10階特設会場
2024年4月18日(木)~5月5日(日・祝)
www.takashimaya.co.jp/store/special/20thcenturychair/index.html