バンコクで人気のリノベ施設「ウェアハウス30」を徹底解説!

  • 写真:松井聡美
  • 編集&文:渡邊卓郎
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タイを代表する建築家であるドゥアングリット・ブンナグが手がけた「ザ・ジャム・ファクトリー」と「ウェアハウス30」。リバーサイドの廃れた倉庫街に多くの若者を呼び寄せ、人の流れを変えた両スポットは、近年のバンコクカルチャーの変遷を知る上でまず外せない存在だ。

Pen最新号は『バンコク最新案内』。再開発が進み、新たな価値を創造するタイの首都・バンコク。本特集では、各分野の最前線で活躍するキーパーソンに話を訊くとともに、訪れるべき旬のスポットを紹介。驚くべきスピードで進化を続けるバンコクには、「いま」しか見られない姿がたくさんある。

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ウェアハウス30

チャオプラヤー川を挟むようにして「ザ・ジャム・ファクトリー」の対岸にあるバンラック地区に、ブンナグが手がけた再開発施設「ウェアハウス30」がある。6000㎡もの敷地に立っていた第二次世界大戦時代の倉庫群をリノベーションし、新たに風を吹き込んだのが2017年。「ウェアハウス30」にはインテリアショップ、カフェ、スパなど13の店舗が入る。そのうち4つはアートギャラリーで、海外アーティストの作品も取り扱うが、多くのギャラリーは地元のデザイナーやアーティストにとっての発表の場となっている。ショッピングを目的に訪れた人もアートに触れることができるなど、利用者は多角的にバンコクの最新カルチャーを周遊することができるのだ。

現在、ブンナグは「ウェアハウス30」の運営からは離れているが、彼が手がけた倉庫時代の歴史を受け継ぐふたつのリノベーションは、サステイナビリティの観点だけでなく、多くの人々に“土地の文化”を考えるきっかけを与え、育んできた。かつてはスクラップ&ビルドが当たり前であったバンコクの地に、リノベーションという概念を浸透させ、タイの独自性、タイらしさを引き出す流れを生み出した。それはつまり、街のアイデンティティを再発見する行為であり、文化の継承でもある。ブンナグが蒔いた種が、いま大きな大輪を咲かそうとしている。

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長期間放置されていた倉庫を「ザ・ジャム・ファクトリー」と同じアプローチでブンナグがリノベーション。多くの店舗が入る商業施設ということもあり、外観は「ザ・ジャム・ファクトリー」よりも整然として無機質な印象だが、内部に入ると各店舗の個性が際立つ。廊下伝いに複数の店をのぞけるのも楽しい。コロナ禍を経てテナントの入れ替わりもあったが、いまも多くの人で賑わう。

アッタ・ギャラリー

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ジュエリーコレクターでもあるオーナーによってバンコクで2010年にスタートした「アッタ・ギャラリー」は、タイにおいてはまだ根付いていないウェアラブルアートとジュエリーアートを広めることをコンセプトにしたギャラリーショップ。一点もののアートピースのジュエリーを展示するほか、ギャラリースペースでは、タイの作家を中心にした立体作品のエキシビションを随時企画している。

TEL:0-2238-6422  13時~18時30分 
休:月、火 
https://attagallery.com

333ギャラリー

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コンテンポラリーアートをおもに扱う「333ギャラリー」。絵画、彫刻などの表現を行う新世代のタイ人アーティスト10人と契約し、アーティスト集団「333アベンジャーズ」を組織している。

11時~18時 
休:月 
https://333gallery.com

  

オーラム・ギャラリー

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UKクラブシーンの伝説的存在でグラフィティアーティストとしても活躍するゴールディがディレクションする「オーラム・ギャラリー」では、最新ストリートアートに出合うことができる。

TEL:0-2102-1785  10時~19時 
休:月、火
https://aurum.gallery

ギャラリー・クル

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日本の現代アートの魅力をバンコクから世界に発信するべく2023年7月にオープン。東南アジアの中心地バンコクにて、日本人アーティストが世界へとつながるギャラリーが誕生した。

10時~19時 
休:月、火 
https://gallery-curu.com

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ア・コーヒーロースター・バイ・ライ・バー・リー

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2007年に創業し、バンコクに6店舗を構える人気のカフェ「ライ・バー・リー」。10年ほど前からカフェブームが続くバンコクにおける、草分け的な存在だ。「ザ・ジャム・ファクトリー」にある店舗とも世界観は揃えつつも、インテリアデザインは店舗ごとに異なる。「ウェアハウス30」の店舗は、高い天井に剥き出しになった梁と太いダクト、壁面のトタン、大量に吊り下げられたペンダントライトが印象的な、インダストリアルでスタイリッシュな空間。コーヒーベースのオリジナルドリンクのほか、ペストリーも充実している。

TEL:06-5587-0877  9時~19時 
無休
Instagram@acoffeeroaster.bkk

 

ピー・テンダークール

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ベルギー人オーナーとデザイナーの夫妻が2008年にスタートした「ピー・テンダークール」。タイの古民家で使用されていた古材を用いて制作された家具は世界中にファンをもつ。ファブリックにはジム・トンプソンが使用されるなど、タイならではの洗練された家具が並ぶ。

TEL:0-2266-4344   10時~18時30分
休:日
Instagram@ptendercool

 

サーティーアンダースコアシックス

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タイの若手作家を盛り上げたいと、商品のうちの8割以上はタイのブランドを集めたセレクトショップ。他にはない掘り出し物に出合えるはず。原料にタイ産カカオを使用した「サイアマヤチョコレート」は180バーツ〜

TEL:09-2494-7147  10時~19時 無休Instagram@thirtyunderscoresixth

 

ストーン・アンド・スタイル

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スペインやイタリアから輸入した石材を扱う「ストーン・アンド・スタイル」のショールーム兼ギャラリー。キッチンやテーブルトップの素材選びは見ているだけでも楽しい。他ジャンルとコラボしたイベントも開催。

TEL:0-2870-7777 
10時~19時 無休

https://stonestyle.co.th 

●52-60 Soi Charoen Krung 30, Bang Rak, Bangkok
TEL:0-2237-5087
営業時間、休日:店舗により異なる
www.warehouse30.com

 

 

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