近年、全米各地の警察機関では新テクノロジーを導入する試みが見られる。
いよいよ年の瀬となり、年末商戦の繁忙期だ。この時期は、全米の高級店やショッピングモールなどの小売店をターゲットにした集団強盗がもっとも活発になる可能性も高くなる。日本でも今夏発生した銀座の高級店で集団強盗のように、全米でも高級店やモールを狙った組織的な集団強盗が特にコロナ以降増え、深刻な社会問題となっている。
ホリデーシーズンの強盗事件や盗難事件への警戒が高まる中、フロリダ州の警察では監視ドローンを使って、上空からの警備を強化している。
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ドローンが容疑者を追跡することも
上空からだと視界がより広くなるため、地上からの従来の追跡に比べより犯人を見つけやすく、追跡しやすくなる。
「ドローンを使った警察の警備は近年頻度が増えている」とNBCニュースは伝えている。使われているドローンは、米ドローンメーカーのSkydio(スカイディオ)社製で、自律飛行型ドローンと呼ばれるもの。構造物を検知しながら自立的に安全飛行する優れもの。全米では警察や消防を含む300以上の法執行機関に利用されている。
この手のドローンは撮影をしながら警備や監視をするほか、容疑者を見つけた際には追跡をすることもできる。また容疑者が車両の中に逃げ込んでも、追跡を継続することが可能だ。
災害時も瓦礫などで覆われた現場での調査や人の救助の目的で使われるほか、911コール(緊急通報)時にドローンを使っていち早く対応するなど、さまざまなケースでの導入が増えている。
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警備ロボットも活躍
テクノロジーと言えば、ドローンのみならず、ロボットを導入することも増えている。今年はカリフォルニアやニューヨークなどの警察が、路上や地下鉄の駅などで、休憩なしでパトロールしてくれる完全自律型の警備ロボット、HP RoboCop(HPロボコップ)のK5モデルを披露し、話題になった。
ニューヨークでは今年、警察がロボット犬を数台購入する予定だとして、こちらも話題になった。このロボット犬は実際に起こったビルの倒壊現場で人の捜索などで大活躍した。実は最初に導入されたのは2年前だが、カメラによる監視がプライバシーの侵害に当たるとして、使用が一時中止になっていた。
先述のドローンについても、市民からは懸念の声が上がっている。監視ドローンを住宅が密集したような場所で使う際、市民のプライバシーがどのように守られるかが不透明だからだ。ニューヨークでは警察の監視政策について民間による審査を強化するため、監視技術の公的監視法(POST)が2020年に可決した。この法律により、それらの監視技術を警察が使用する際は技術の開示と説明することなどを義務付けている。パトロールと言えど、むやみやたらにドローンやロボットを使うことはできないのだ。
市民の安全のために便利な新たなテクノロジーに頼り切るのか、それともプライバシーを尊重するのか、しばらくはそのせめぎ合いが続きそうだ。
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フロリダ州南部、マイアミ市近郊のスイートウォーター市警察がインスタグラムで公開したNBCニュースの動画。
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