2つの子宮をもつ女性が同時に妊娠…その希少すぎる“エコー写真”とは?「5000万分の1の確率の奇跡」

  • 文:宮田華子

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@doubleuhatchlings – Instagramのキャプチャ画像。

アメリカ・アラバマ州在住のケルシー・ハッチャーさん(32歳)は現在妊娠38週目を迎えている。妊娠しているのは「双子の女児」…と聞くと「ごく普通の妊娠」のようだが、ハッチャーさんの妊娠は世界的に報道されるほど話題となっている。

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マッサージセラピスト兼フィットネスコーチであるケルシー・ハッチャーさん。@doubleuhatchlings – Instagramのキャプチャ画像。

その理由は、この妊娠が「5000万分の1」という驚くべき確率で起った「奇跡的な妊娠」だからだ。

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5000万分の1の確率と言われる「稀な妊娠」

Fox Newsの報道によると彼女には先天性の子宮奇形があり、体内に二つの子宮と二つの子宮頸部をもつ「重複子宮(子宮ディデルフィス/完全重複子宮とも言う)」の持ち主である。

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右の図が通常の子宮形状、左の図が子宮と子宮頸部を2つ持つハッチャーさんと同じ子宮形状。@NBCNews – YouTubeのキャプチャ画像。

今回、彼女は2つの子宮それぞれに1人ずつ妊娠しているという状態だ。

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2つの子宮内にハッキリと胎児が写っている。@doubleuhatchlings – Instagramのキャプチャ画像。

すでに3人の子ども(6歳、4歳、2歳)をもつハッチャーさん夫妻。ハッチャーさん自身は17歳のときに自身の重複子宮について知ったが、先の3人の子どもたちの妊娠出産には問題なく、3人とも自然分娩で出産した。

今回の「各子宮に1人ずつ」の双子妊娠について夫妻が知ったのは5月23日。2人共信じられなかったという。

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双子妊娠に驚くハッチャーさん夫妻。@doubleuhatchlings – Instagramのキャプチャ画像。

ハッチャーさんの担当医であるアラバマ大学バーミンガム産婦人科のシュエタ・パテル医師も、今回の妊娠を「非常に驚くべきこと」と述べている。

Gurdianの報道によると、重複子宮は0.3%の女性に見られる形態であり、スタンフォード大学産婦人科ヘイリー・ミラー医師は「両方の卵巣が同時に、あるいはほぼ同時に排卵したという事実はかなり驚くべきこと」と語っている。

またヒューストンのベイラー医科大学産婦人科のロバート・ズラウィン医師がScientific Americanに語ったところによると、重複子宮の女性が各々の子宮に妊娠する確率は約5000万分の1だという。

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重複子宮の双子出産。伴うリスクは?

重複子宮の双子出産にはリスクもある。具体的には、胎児は別々の子宮からでてくるが、両方の子宮に同時に陣痛が起こるのかは分からない。さまざまな状況を鑑み、出産のタイミングや帝王切開の可能性も考えておく必要がある。

地元ニュース局WVTMによると、ハッチャーさんの出産予定日はクリスマス当日とのこと。自然分娩を望んでいるハッチャーさんだが、分娩誘発が必要な場合、クリスマス前に自宅に戻れるよう、12月18日か19日に行うようリクエスト済みとのことだ。

心配はあるものの、2人の胎児はともに体重が7ポンド(約2.7kg)を超えている。現在のところ母子ともに健康、37週の検診も無事通過した。

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37週時点での写真。お腹に二つの「山」が見えることから、2つの子宮で妊娠していることが分かる。@doubleuhatchlings – Instagramのキャプチャ画像。

もうすぐ5児の母となるハッチャーさん。今はただ無事の出産を願うのみだが、出産後、また大きく報道されるはずだ。

 

【次ページ:動画あり】取材に答えるハッチャーさん夫妻

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写真を見せながら笑顔で語るハッチャーさん夫妻。YouTubeの字幕自動生成機能を使うと、日本語字幕付きで視聴できる。