毎年11月の第4木曜日はアメリカの祝日、サンクスギビング・デー(感謝祭)。日々の生活に感謝する日として、愛する人と豪華な食卓を囲む大切なイベントだ。しかし「何でもあり」のニューヨークでは一味違う。ある地下鉄の車両内が11月23日、七面鳥や豪華な料理が並ぶ感謝祭のディナー会場に変身。乗客たちは居合わせた見知らぬ人々と食卓を囲み、感謝祭を祝った。
ニューヨークの地下鉄で開催された「特別な」感謝祭ディナー
この思いがけない感謝祭のディナー会は、マンハッタン区とブルックリン区を繋ぐ地下鉄L線で開催。その場に居合わせた乗客が車内の様子をSNSに投稿すると、大きな反響を呼んだ。
「ニューヨークで1番ホットなレストランは地下鉄L線だよ」
そう、キャプションと共に投稿された動画には、車内に七面鳥やマッシュポテト、マカロニ、シャンパンといった感謝祭の定番料理で埋め尽くされたロングテーブル。乗客たちは紙皿の上パンパンに乗せられた食事を楽しみながら、会話をしている様子が映し出されていた。また、大きなナイフとフォークを持った女性が七面鳥を切り分け、乗客が喜びのダンスをしている様子も。何ともニューヨークらしい心温まる光景だ。
ワシントン・ポスト紙のジャダ・ユアン記者も、運良くこのゲリラの感謝祭イベントに出くわしたひとり。ユアン記者は、車両の外から撮影したこの光景をインスタグラムに公開し、当時の様子を綴った。彼女によると、ブルックリンのベッドフォード・アベニューで電車に乗っていたところ、電車がエンストしてしまい、一度、車両から降りなければならなかった。すると、彼女は何人かがマカロニチーズを食べながら、幸せそうに会話をしているのを発見。覗いてみると、車内に大勢の人が仲良く食卓を囲み、食事を楽しんできたという。
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「このイベントは、きっと誰かへの贈り物だ」
NewYorkPostによると、このゲリラ感謝祭は、ブルックリンのイースト・ニューヨークにあるケータリングサービス、シェフ・ボー・キッチンによって企画されたサプライズだという。
実は、彼らがこのようなサプライズを決行したのは今回が初めてではない。2019年11月、同サービスオーナーのブランディ・バクスターさんは、コメディアンのジョデル・ルイスさんを率いるグループと共同で、L線の乗客に「フレンズギビング(友人同士で祝う感謝祭)」のイベントを行ったそう。バクスターさんは当時、New York Timesの取材に答えている。
「ニューヨークの電車の中で、見ず知らずの人たちと一緒に感謝祭を食べられるなんて、他にはないでしょう。これこそが、人々がこの街にやってくる理由なんだ」。
これらのイベント開催には賛否両論があったというが、SNSの投稿には、ニューヨーカーや感謝祭を祝う人たちから心温まるコメントが数多く寄せられていた。
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