「誰かがペンキをこぼしたみたい...」ハワイの池が真っピンクに、その驚くべき理由とは

  • 文:大村朱里
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Shutterstock-TravisHoppe3781 ※写真はイメージです

毎年ハワイには、何千人もの観光客が訪れる。しかし、ある時を境に、多くの人が訪れるお目当ては、とある地域の池となった。なぜならその池は突如、おとぎ話の世界のように鮮やかなピンク色に変身したのだーー。

どうしてピンク色に...干ばつの影響か?

この池が注目を集め始めたのは、10月下旬。ハワイ・マウイ島の“ケアリア池”と呼ばれるケアリア・ポンド国立野生保護区にある池で「何かおかしなことが起こっている」と通行人からの報告で発覚したという。

画像を見ると、池全体がまるでピンク色のペンキをこぼしたかのように鮮やかなピンク色に染まっているのが分かる。SNSでは今年話題となった映画『バービー』と重ねて「バービーワールドの池?」「バービーの世界観だ」などといった声が上がっている。現地で調査を行うFWS(アメリカ合衆国魚類野生生物局)は、この鮮やかなピンクの池は「塩分濃度の高い水域に生息するハロバクテリアと呼ばれる単細胞生物が、池の色を変化させたのではないか」と推定している。また、ケアリア池の出口付近の塩分濃度は1000分の70を超えており、これは海水の約2倍の塩分濃度であるという。

これには、マウイ島全体が深刻な干ばつが関係しているようだ。以前は、近くの海から水が池に流れ込んでいたが、干ばつの影響により海水が流れ込まなくなったと地元放送局KHON2が報じている。そのため、池の塩分濃度が上がり、ハロバクテリアが増殖。池の水は有毒なものではないというが、地元メディアはFWSの声明に従い、その水で捕獲された魚を食べたり、その池で泳いだりすることは避けるように呼びかけている。

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ハワイの新たな観光スポットに!?

ピンクの池の写真がソーシャルメディアに投稿されると、その目新しさに多くの人々がこの池のある保護区に押し寄せたという。現地で撮影を行ったマウイ島在住のトラビス・モリンさんもその一人だ。彼はKHON2の取材に対し、池の色について友人たちから聞いたと語った

「初めて聞いた時は『そんなはずがない!』と疑っていたのですが、サンセットの時間に車を池まで走らせると、本当にピンク色だったのです!池に到着して眼前の光景に驚きました」

さらに「なんだかペプトビスモール(液体胃腸薬)の色みたいでした。反射が少ない時間帯だったことも、鮮やかだった理由のひとつだと思います」と続けた。

この光景を撮影した彼のインスタグラムの投稿は瞬く間に拡散し、わずか12時間で3,000近くの「いいね!」を獲得したと地元メディア、HAWAII NEWSNOWは報じている。

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ショッキングピンクに近い鮮やかな色が衝撃的!話題のピンク池。

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話題のピンク池を空撮した様子。