韓国サウナ旅「180度のスッカマ編」

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    チムジルバン編」では、はじめての韓国の温浴施設へ、「汗蒸幕編」では岩盤浴のようなぬるめの温度から燃えるような熱さの温度までいろんな汗蒸幕を体験したレポートを書きました。そして今回は、この旅の目玉だった韓国伝統の古代サウナ「スッカマ」のお話しをしようと思います。

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    スッカマ(炭窯)は読んで字の如く、窯の中で木を炭になるまで燃やして、窯に溜まった熱で温まる韓国伝統のサウナです。その性質からやはりスッカマは街の中にはありません。わたしたちが行ったスッカマはふたつ。ひとつはソウル駅からバスで35分ほどのところにあるのと、もうひとつは1時間ほどバスに揺られて、そこから徒歩20分というかなり遠めのスッカマでした。


    まずは最初に突撃したのは、いきなり遠いほうのスッカマ。ここは一緒に行った清水みさとちゃんの知り合いの韓国人の方からおすすめとGoogleマップのリンクが送られてきたのですが、なんの情報もなく、なんならマップを開くと韓国語になっていて、名前さえもわからないおそらく日本人観光客(ほぼ)未到のスッカマです。

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    ちょっと不安になるような田舎のバス停で降り、これまた不安になる人が誰も歩いていない細い道をひたすら真っ直ぐ歩いて行くこと20分。お風呂マーク「♨️」が見えて、ホッとしたのも束の間、日本人未到の地なので日本語もなければ英語もない。ローカルすぎて、誰も日本語も英語もわからない!(ごめんなさい、こちらも韓国語がわからない!)料金を払うところからドキドキです。

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    初日にチムジルバンへ行って、汗蒸幕をスルーしてしまった教訓から今回も「スッカマ、スッカマ」と連呼すると、「あーお風呂だけじゃなくてスッカマもね」(訳は想像)とスッカマ用の館内着を渡してくれました。

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    ロッカーで館内着に着替えて、スッカマらしい矢印がある方へ向かって行くと……

     

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    一番奥の窯はまだ燃やしている最中ですね

     

    これが韓国伝統のスッカマなのか!とても原始的!


    さて、まず作法がわからないのですが、とりあえずいろんな温度のスッカマがあることをひとつずつ覗きながら確認。そしてローカル常連のみなさんは「なんか見慣れないのが来たぞ」と若干ざわついている様子。


    ここでも水風呂はありません。みなさん、自分のマットレスで場所を確保して、寝っ転がって涼むスタイルのようです。

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    一旦高温に入ってみます。ああああっっつ!!

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    裸足がきついカラカラあつあつです。

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    その横には「180℃」という恐ろしい看板が。その他は何が書いてあるのかわかりませんが、熱いことだけは確か。

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    入ろうとすると、中から防災頭巾のようなものをかぶったおばちゃんが出てきて「そのままじゃダメダメ、バスタオルとかかぶらないと焦げるよ!(訳は想像)」みたいなことを言っています。


    観光客だもん、そんなの持ってきてないのよ。180度には入らせてもらえないのかな……。


    すると、地元のおじさんに「こっちにおいで」と呼ばれます。おじさんは、わたしたちを外へ連れ出して、スマホの翻訳機能でスッカマについて説明してくれました。「丸太を炭にする」「丸一日かかる」「ソンホオッパと呼んでくれ」と自己紹介まで。

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    先ほど防災頭巾おばちゃんにダメダメと言われたけれど、スンホオッパはここの常連ぽいので、入ってみてもいいか聞いてみると「熱いから木のスリッパを履いて、椅子に座って入りなさい」と教えてもらいました。

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    そう、ゴムのスリッパは溶けてしまうので、木のスリッパを履かなくては行けません。あと、地べたは熱すぎて座れないので、木の椅子を外から持って中へ入ります。ついに身一つで180度の世界へ。


    熱い!熱い!熱い!


    これは逆温度の羽衣!動いたら熱が動いて熱い!


    脅威の180度の世界は、一瞬で汗がカーっと出るまさにカラカラ灼熱でした。確かにおばちゃんが言うように肌を覆っていないと肌が痛くて焼けるような感覚です。2分も入っていられません。

    動くと熱いので、そぉっと立ち上がってゆっくり出ます。あぁ、このあと水風呂に飛び込めたら最高なのに……。と思いながら寝っ転がっていると、先ほどのソンホオッパがなにやらミルクティのような飲み物を買ってきてくれて「飲め飲め」と言ってくれています。

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    スマホで「ミスッカル」と見せてくれました。甘くてきな粉みたいな味の飲み物でした。調べてみると、米粉、はったい粉、豆粉などを混ぜ合わせた昔からある伝統的な飲み物らしいです。サウナにはオロポ、スッカマにはミスッカルってことでしょうか。

    スッカマの後は、ロッカーへ戻りお風呂とサウナに入りました。サウナはここもおまけ程度にあるだけでした。スッカマの強烈な体験を胸にまた20分細い道を歩き、1時間バスに揺られてソウルへと戻りました。

    超ローカルなスッカマが、まさかの人生で一番熱い180度のサウナ体験になるとは。道中も含め大冒険でした。ちなみに翌日は、ソウル駅から30分くらいの方の「スプソク漢方ランド」にも行ってきました。長くなってきたので、また次に書くことにします。

    주심유황참숯가마

    住所:310 Choi-dong, Hanam-si, Gyeonggi-do, 韓国
    TEL:+8224297711

    岩田リョウコ

    文筆家、イラストレーター

    コロラド大学大学院東アジア言語文明学科卒。2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中に出版した『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』がベストセラーとなり世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でもあり、フィンランド政府観光局サウナアンバサダーに任命されている。著書に『週末フィンランド』、『エンジョイ!クラフトビール』、『コーヒーがないと生きていけない!』、『HAVE A GOOD SAUNA!』がある。
    Instagram / Twitter / Official Site

    岩田リョウコ

    文筆家、イラストレーター

    コロラド大学大学院東アジア言語文明学科卒。2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中に出版した『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』がベストセラーとなり世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でもあり、フィンランド政府観光局サウナアンバサダーに任命されている。著書に『週末フィンランド』、『エンジョイ!クラフトビール』、『コーヒーがないと生きていけない!』、『HAVE A GOOD SAUNA!』がある。
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