90年代に世界中で大ヒットしたアメリカのコメディ・ドラマ「フレンズ」の主役の1人だったマシュー・ペリーが10月28日に54歳の若さで急死したが、このほど、死亡証明書が公表された。
証明書を確認したというエンターテイメント情報サイト「E!ニュース」によると、ペリーの死亡証明書を公表したのはロサンゼルス郡公衆衛生局。その死因欄には、「保留」と記載されていたという。また、死につながるような持病を患っていたとの記載もなかったとされる。
毒物検査の結果が出るまで保留
NBCニュースは10月30日の時点で、検死では死亡理由が突き止められず、毒物検査の結果を待つ必要があると報じていた。最終的な死因が確定されるのに、4〜6週間かかる見込みだ。
ペリーは10月28日、ロサンゼルスにある自宅のジャグジーに沈んでいるのが発見された。救急隊が呼ばれ、ジャグジーから引き上げられた時点で既に意識はなかった。現場の状態から事件性はないとされており、また検死でも、メタンフェタミンやフェンタニルといった薬物は検出されなかったという。
前述の「E!ニュース」によると、ペリーは11月3日、「フレンズ」の共演者などに見守られながら、ロサンゼルスにあるフォレストローン記念公園の墓地に埋葬された。「フレンズ」の撮影が行われていたワーナーブラザースのスタジオからすぐ近くだ。
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人生の半分以上は依存症からのリハビリ
「フレンズ」は、ニューヨークに暮らす20代の男女6人を中心としたコメディ・ドラマで、1994年に放送が開始された。2004年まで10シーズン続き、アメリカのコメディ・ドラマ史に残る人気を誇った。2021年5月には、「フレンズ」の出演者が再集結する特別エピソード「フレンズ:ザ・リユニオン」が放映されたが、その際にペリーは、他の出演者とともに元気な姿を見せていた。
しかし「フレンズ」の放送中から、ペリーの薬物およびアルコール依存はかなり知られていた。とりわけ薬物については、1997年公開の主演映画「愛さずにはいられない」の撮影でラスベガスに滞在中、ジェットスキーで事故を起こし、大怪我を負った際に処方された痛み止めに依存するようになった。同年、初めて薬物のリハビリテーション施設に入院し、当時大きなニュースになった。
ペリーの死を報じたニューヨーク・タイムズによると、こうした依存症が原因で、生命維持装置に繋がれたことや、2週間昏睡状態に陥ったことなどがあったという。
ペリーは2022年11月に、自身初となる回顧録『Friends, Lovers and the Big Terrible Thing』を刊行。人生の半分以上を依存症からのリハビリで過ごしたとしつつ、こうした依存症からはすっかり脱したことを明らかにしていた。
「依存症という病に苦しむ人たちを助けたい」
ペリーの死後、アメリカの朝の情報番組「トゥデイ」の特別番組に、「フレンズ」のプロデューサーであるマーサ・カウフマンが出演。その際、亡くなる2週間前にはペリーと話していたことを明かし、元気で幸せそうに見えたと述べていた。
ペリーはこれまで、さまざまな機会で依存症についてオープンに話してきた。また、回顧録には、自分の名声を使い依存症で苦しむ人たちを助けたいとも書いている。カナダのラジオ番組「Q with Tom Power」に出演した際には、回顧録を書いたのはそのためだと述べていた。
その遺志を継ぎ、依存症という病に苦しむ人たちを支援する「マシュー・ペリー基金」が立ち上げられている。ABC7によると、亡くなる前からペリー本人が基金の立ち上げを準備していたという。
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