不安や期待……人々が複雑な感情を抱く「生成AI」を、ブランドマーケティングに生かすために大切なこと。【後編】

    Share:

     

    1487053786,Klaus Vedfelt,GettyImages.jpg
    1487053786,Klaus Vedfelt,GettyImages

    前編では、AI技術を含めたテクノロジーへの不安と期待が交錯する消費者心理について、ビジュアル調査「VisualGPS」の結果をもとに分析してきました。

    後編では、こうした「AI」というテクノロジー自体をブランドマーケティングにどう活用するのが良いのか、そのヒントをお伝えしたいと思います。

    生成 AI を活用したブランドマーケティングで気をつけるべきポイントは?

    まずAIが生成した画像を活用するには、被写体や業界の背景を熟慮する必要があります。VisualGPSの調査によると、AIは非生物の被写体、例えば建築物や風景の描写に優れており、これらはAI生成コンテンツに適した被写体と言えます。しかし、人物や動物に関しては、AIの関与よりも信頼性がより重要視される傾向があります。特に、医療・製薬、金融サービス、コンシューマー・プロダクツなどの特定の業界では、消費者からの潜在的な反感を避けるために、慎重なアプローチが求められます。

    また画像生成 AI ツールは、マーケティングへの応用にとどまらず、文字で伝えるのが難しい複雑な概念や抽象的な概念をビジュアル化したり、完全に架空のものを表現したりするための貴重なアセットとしても役立ちます。すなわち、複雑なものをより実用的なものにしてくれるのです。

    先述したように、AI 技術に関する世代間の理解や関心の違いも明らかになりました。企業やブランドは、ターゲット世代にあったアプローチも重要でしょう。例えば Z 世代の顧客とつながるためには、AI の可能性を最大限に可視化する必要がありながら、信憑性や、誤った情報を広めるような AI の社会的影響についても、より強く意識した方が良いでしょう。

    新しいテクノロジーが勢いを増し続ける中、企業やブランドは、日常生活において個人のウェルビーイングをサポートし導くためにテクノロジーがどのように利用できるかを可視化することで、自社の製品やサービスによって顧客に無理をさせることなく力を与えることが重要になるでしょう。

    1522224887,alvarez,GettyImages.jpg
     1522224887,alvarez,GettyImages

    さらに 最新のテクノロジーに関してビジュアル化する際のヒントになり得る方法を 2 点紹介します。

    「AI」をビジュアル化する

    「AI」をビジュアルとして表現する際には、これらのツールが最終的には人間のコントロール下にあり、人間がその目的や用途を決定する主体性を持つという考えを伝えることが不可欠です。これは、実際には AI アプリやデジタルツールを利用する個々の人がどのような使用方法を選択するかによって変わってきます。あえて、比喩的な表現で人間やアナログな道具を登場させ、AI 技術における人間の主体性を象徴することも有効的でしょう。

    1390517186,FG Trade,Getty Images

    カラー・パレット・シフト

    2023 年、テクノロジーに関連するビジュアルのカラーパレットに大きな変化が起きています。従来は、映画「マトリックス」で描かれるような、ミステリアスで不確実性を表現する暗い色調が採用されていましたが、現在の一般的なトレンドは、より明るいカラーパレットにシフトしています。マゼンタ、ティール、ライム、バイオレット、イエローオレンジなど鮮やかな色調で、「Web3」の影響を受けた技術進歩の新たな段階を示すものでしょう。 この変化は、不確実性が続くとはいえ、私たちの生活における AI の将来の役割について楽観的でポジティブであることを意味しています。

    1480486946,Andriy Onufriyenko,GettyImages,jpg.jpg
    1480486946,Andriy Onufriyenko,GettyImages,jpg
     

    今日、消費者はますます本物志向を強めており、レタッチされていないビジュアルが好まれるようになっています。AI が生成するコンテンツには利点もありますが、いつ、どこで活用するかは慎重に検討する必要があります。このアプローチは、本物の表現に対する消費者の期待に確実に沿うものであり、信憑性が高く評価される時代におけるブランドイメージの強化に貢献するでしょう。 

    「生成 AI by Getty Images」について

    ゲッティイメージズは、同社の最高品質のクリエイティブコンテンツと最新の AI 技術を組み合わせた、安全に商用利用ができる AI 生成ツール「生成 AI by Getty Images」(https://www.gettyimages.com/ai/generation/about)を発表しました。

    「生成 AI by Getty Images」は、ビジュアルデザイン用の生成 AI モデルである NVIDIA Picasso の一部である最先端の Edify 基盤モデルで学習されます。このツールは、独占的なプレミアムコンテンツを含むゲッティイメージズの膨大なクリエイティブライブラリのみから学習され、商用利用については完全に補償されています。ゲッティイメージズが提供する生成 AI は、業界をリードする幅広いサービスとともに、ゲッティイメージズの豊富で説得力のあるビジュアルライブラリやカスタムコンテンツソリューションとシームレスに連携するため、顧客は始めから終わりまでのクリエイティブプロセス全体を向上させ、あらゆるニーズに適したビジュアルコンテンツを生成することができます。 

    遠藤由里の連載記事

    記事一覧

    遠藤由理

    Getty Images/iStock クリエイティブ・インサイト マネージャー

    ビジュアルメディアの学歴を持ち、映画業界に従事。2016年からはGetty Images/iStockのクリエイティブチームに所属。世界中のデータや事例をもとに、広告におけるビジュアルの動向をまとめた「Creative Insights」を発信。多くのクリエイターをサポートしながら、インスピレーションに満ちたイメージ作りを目指している。

    遠藤由理

    Getty Images/iStock クリエイティブ・インサイト マネージャー

    ビジュアルメディアの学歴を持ち、映画業界に従事。2016年からはGetty Images/iStockのクリエイティブチームに所属。世界中のデータや事例をもとに、広告におけるビジュアルの動向をまとめた「Creative Insights」を発信。多くのクリエイターをサポートしながら、インスピレーションに満ちたイメージ作りを目指している。