【Penが選んだ、今月の音楽】
『心の色 ~ カルディーニ:リコーダー作品集』
教育用の楽器と思われがちだが、リコーダーは20世紀初頭からさまざまな角度から再評価され、実は新しい音楽もたくさん書かれている。イタリアの作曲家カルディーニの楽曲はこの楽器から、プログレッシブ・ロックのような切れ味の鋭さ、ミニマル音楽のようなクールさ、日本的な侘び寂びなど、多彩な表現を引き出す。脱サラして海外留学した中村と古楽器によるショパン演奏が高く評価された川口の名手コンビが作曲家の要求に応え、リコーダーの汲めども尽きぬ可能性をこれでもかと堪能させてくれる。
※この記事はPen 2023年12月号より再編集した記事です。