伝説的作曲家のピアノソロによる、ジャズスタンダードとオリジナル楽曲

  • 文:小室敬幸(音楽ライター)

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【Penが選んだ、今月の音楽】
『テリー・ライリー・スタンダーズアンド小淵沢〈コブチザワ〉セッションズ シャープワン』

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テリー・ライリー 星と虹レコード/タワーレコード SHIGERU-001 ¥3,000

代表作『In C』がスティーブ・ライヒに、『A Rainbow in Curved Air』が久石譲に多大な影響を与えた、ミニマル音楽の元祖として知られるテリー・ライリー。コロナ禍直前に来日し、そのまま現在まで日本を拠点に活動中の88歳である。定住を決める前の2020年3月に八ヶ岳のスタジオで録音されたのが本盤で、若い頃から私的に弾き続けているが公開演奏してこなかったピアノソロでのジャズスタンダードを初披露。これが実に見事で、無駄なものがすべて削ぎ落とされた演奏は聴き込むほど味わいが増してゆく。

※この記事はPen 2023年12月号より再編集した記事です。