飲まずに「食べるコーヒー」、UCC開発の「YOINED」は画期的な新コーヒーか!?

  • 写真・文:一史

Share:

DSC03609.jpg
中央の円上の2枚がコーヒーフード「YOINED」。周囲のコーヒー豆はイメージです(撮影のため用意した市販のブレンド豆)。

焙煎したコーヒー豆を凍結粉砕し、コーヒーオイルと油脂で固めたコーヒーフード「YOINED(ヨインド)」
名称は香りの“余韻”から名付けられました。
「食べるコーヒー」というコンセプトも、カカオ成分を一切使わないこだわりもユニークな製品です。
缶コーヒーを生み出したイノベーターであるUCC上島珈琲の意欲作。
11月1日より数量限定発売。
6枚入り ¥2,700(税込)。

---fadeinPager---

DSC03641.jpg
左が「MELLOW BROWN」、右が「CRAZY BLACK」。

「『飲む』のでなく『食べる』コーヒーの新製品を発表する」
そのようにUCC上島珈琲から記者発表会へのご案内をいただいたのが10月のこと。
「90周年のUCCが日本初の独自製法で生み出した飲まないコーヒー」と聞けば、もう期待値MAXです!

頭に浮かんだのは、コーヒーを飲めないシーンでの活用方法。
例えば、
周囲に香りを広げたくない公共の場。
動いてこぼす心配がある電車内。
和食の後にお茶しか出なかったときのデザート代わり。
ランニング中のカフェイン注入。
遅刻しそうな朝の通勤時間。
トイレ休憩のない長い公演の芝居の席。
湯を沸かせない登山中での一休み。
災害時の避難所でのリフレッシュ。
etc.
生活のなかでコーヒーを飲みたいシーンをサポートする画期的な製品か?と夢見たワケです。

ではここで発表会に参加し、仕事場に持ち帰りゆっくり味わった感想を述べます。
「とても興味深い。でもまだ発展途上。これからに期待」
です。
賛同しつつ否もあると言いますか……「食べるコーヒー」という言葉からわたしが想定した品とは少し異なっていました。

---fadeinPager---

DSC03601.jpg
デパ地下っぽいパッケージ。優雅なクッキーやチョコレートの方向性。

これは「コーヒー菓子」です。
チョコレートのカカオ豆をコーヒー豆に置き換えたもの。
高級感のある味ですが、コーヒーを飲みたいときの代わりにはなりにくいと思います。
食べている実感がチョコと似すぎてるからでしょう。
口にするとチョコの記憶が思い浮かびます。
逆な見方をすると、一風変わったチョコを食べたいときにはぴったり。

2種類あるうちの「CRAZY BLACK」はコーヒー豆配合率40%で、「MELLOW BROWN」は10%。
コーヒー以外の成分は、植物油脂/砂糖/乳糖/全粉乳/デキストリン(食物繊維)。
日本式チョコと構成材料が変わりません。
(製法は独自だとしても)
製造所は、チョコOEM生産の株式会社たにぐち 和歌山工場。

CRAZY BLACKは苦味と風味が強く、MELLOW BROWNは、ほぼキャラメル風味の甘いチョコ(←おいしい。スイーツとして)。
どちらも舌に粉のざらつきをわずかに感じます。
CRAZY BLACKの風味がインスタントコーヒーと似る点は好みがわかれそう。

いま高級チョコのフレーバってすごいじゃないですか。
柚子やジャスミンの華やかな香りがぶわっと口から鼻に広がるものや、噛むたびに味変して感動するものまで百花繚乱。
驚くほど酸味のあるフルーティーな品もコンビニで買える時代です。
そのパワフルな市場に食い込めるかどうか。

YOINEDのカフェイン含有量は1個1杯として、CRAZY BLACKが約1/2で、MELLOW BROWNが約1/5。
CRAZY BLACKは食べる時間帯と量を気にする必要がありますね。
目を覚ましたいなら最高でしょう。
デカフェもほしかったところ。
それなら夜寝る前に口に含むリラックス食品になれました。

---fadeinPager---

DSC03632.jpg
2023年10月26日の記者発表会にて。女性的イメージが打ち出されてました。

食べ方では、果汁ソーダとの食べ合わせ提案などができそうです。
果汁ソーダ+アイスコーヒーのミックスドリンクが近ごろ人気ですから、ノンカフェインのソーダの味変に食べるカフェイン入りスイーツとして。
お遊びなら、牛乳飲みつつ口にいれてカフェオレ、なんてこともできます。

記事冒頭で言及したとおり、コーヒーの未来を考えた挑戦的な製品です。
この先にどう進化していくのか。
願わくばチョコに似ていない独自路線のコーヒータブレット(または別の形)になり、コーヒーを飲めないシチュエーションで役立つことを望みます。
「フリスク」のような、いつでも常備して口に含める食品になってほしい。
価格はYOINED1枚が、¥450(税込)相当。
購買力(発言力)のある層に向けた価格設定なのでしょう。
高価な品ほど褒める人が増えるのが世の常ですから、正しいマーケティングな気がします。

2024年3月末で販売終了となる(完売でも終了)YOINED。
すでにネットオーダー殺到のようですし、気に入ってリピートしたくても回数が限られます。
食べるコーヒー第2弾の登場がいまから楽しみです。

YOINED
www.ucc.co.jp/yoined/

All photos&text©KAZUSHI

---fadeinPager---

【画像】飲まずに「食べるコーヒー」、UCC開発の「YOINED」は画期的な新コーヒーか!?

DSC03609.jpg
中央の円上の2枚がコーヒーフード「YOINED」。周囲のコーヒー豆はイメージ(撮影のため用意した市販のブレンド豆です)。

---fadeinPager---

DSC03641.jpg
左が「MELLOW BROWN」、右が「CRAZY BLACK」。

---fadeinPager---

DSC03601.jpg
デパ地下っぽいパッケージ。クッキーやチョコレートの方向性。

---fadeinPager---

DSC03632.jpg
2023年10月26日の記者発表会にて。女性的イメージが打ち出されてました。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。