歴史あるウォッチメゾンには育んできた伝統とともに独自の美学やデザインコードが存在する。今年誕生30周年を迎えたオーデマ ピゲの「ロイヤル オーク オフショア」を例に、アイコンとして親しまれてきたコレクションやモデルに通底する“DNA”をひも解いてみよう。
Pen最新号は『腕時計のデザインを語ろう』。腕時計の「デザイン」に焦点を当て、たどってきた歴史やディテールを振り返るとともに、プロダクトとしての魅力をひも解く。同時に、つくり手である人気ブランドのデザイナーにも話を訊いた。デザインの“本質”を知ることで、腕時計はもっと面白くなるはずだ。
『腕時計のデザインを語ろう』
Pen 2023年12月号 ¥950(税込)
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アイコンには、意匠や技術といったオリジナリティもさることながらブランドの依拠する精神が不可欠だ。だからこそシンボルとは異なり、アイコンと称えられる存在になる。「ロイヤル オーク オフショア」はまさにその証しだろう。
初代オリジナルは、1972年に登場した「ロイヤル オーク」のデビュー20周年を記念し、より若い世代に向けたスポーティラインとして開発がスタートした。
そして93年に誕生した「ロイヤル オーク オフショア」は、躍動感あるクロノグラフ機能を備え、違いを明確に打ち出した。しかしそれ以上に衆目を引いたのは、大きく分厚いケースであり、当時のエクストリームライフスタイルを具現化した武骨ともいえるデザインは“ビースト”とも揶揄され、賛否両論を呼んだ。だがそれも想定内だったのかもしれない。かつて「ロイヤル オーク」も発売当初は“ジャンボ”と呼ばれたのだから。
一方これを高く支持したのは製作者が意図した新世代であり、カルチャーやスポーツの分野までも席捲。ラグジュアリースポーツウォッチの金字塔を換骨奪胎し、完全に独立したコレクションとして今年30周年を迎えた。そこには常に抗い、挑戦を続けるブランドの反骨精神が宿るのだ。
「ロイヤル オーク オフショア」3つのデザインポイント
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