ライカM11-Pが登場! “真実を記録し、担保する”世界初の機能とは?

  • 文:石川博也
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左から/「ライカM11-P ブラック・ペイント」、「ライカM11-P シルバー・クローム」。ともに1,474,000円。※レンズ、ケース、ストラップは別売

ライカからM型の最新作であり、デジタルカメラの歴史に革新をもたらす世界初の機能を搭載した「ライカM11-P」が登場した。

世界初の機能とは、ライカコンテンツクレデンシャルと呼ばれるもので、デジタル画像の真正性を保護するために、権利の所在や編集履歴などの情報を埋め込むことができるコンテンツクレデンシャルを撮影時に添付。これによってメタデータ、つまりデータを説明するためのデータ、例えば、撮影者の氏名や撮影日、使用したカメラの種類、編集の履歴などを安全に記録・保存することが可能となった。

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ライカコンテンツクレデンシャルはメニューから簡単に設定できる。

この機能はメニューから設定することができ、オンにすると液晶モニター上に「Content Credential」のロゴが表示され、撮影するたびに信頼性を確保する署名が特殊なアルゴリズムによって画像に付与される。

これはコンテンツ認証イニシアチブ(CAI)が提供するオープンソース規格に基づく機能で、画像データの生成と編集の透明性をさらに高めることが可能となる。

写真家が撮影した作品には大きな価値があり、その信頼性を担保するためには来歴情報の記録が効果的であると考えるライカの意向が、「ライカM11-P」に搭載したこの機能に反映されているのだ。

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世界の重要な出来事を記録する道具としての信頼性が増した「ライカM11-P」。

今回の機能について、ライカの社主であり監査役会議長でもあるアンドレアス・カウフマン博士はこう話す。

「ライカのカメラはこれまで常に歴史に残る重要な瞬間を世界中で目撃、記録してきました。ところが写真の世界にデジタル化の波が到来した結果、ビジュアルコンテンツの真正性を確認することはますます困難になり、どのようにしてそれを確認するかが一層重要になっています。そこで今回、画像の真正性を示すことができる技術をカメラに取り入れ、デジタルコンテンツの信頼性をここでもう一度高めるとともに、世界で起きる重大な出来事を記録するツールとしてのライカのカメラの信頼度をあらためて向上させていくことにしました」

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トップカバー上面に刻印されたLeicaの文字。

「ライカM11-P」にはほかにも「ライカM11」とは異なる要素が随所に取り入れられている。例えば、外観デザインではトップカバーの正面に「Leica」の赤いロゴを配置していない。これによってさらに目立つことなく撮影できるようになった。そして、この赤いロゴの代わりに採用されているのが、トップカバーの上面に刻印された筆記体の「Leica」で、よりクラシカルな雰囲気を漂わせた最新型のライカとなっている。

ブラック・ペイントとシルバー・クロームの2タイプ展開で、トップカバーはブラックはアルミニウム、シルバーは真鍮の削り出しで仕上げられ、ボディ部分は高強度のマグネシウム合金のフルメタル仕様。デリケートな部分をしっかりと保護する役割を果たしている。映像素子と画像処理エンジンは「ライカ11」と同様ながら、内蔵メモリーは「ライカM11」の64GBに対して、256GBにアップ! 予備のメモリーカードを持ち合わせていないなど、いざという時にも頼りになる一台となっている。 

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新たにライカMシステム用としてブラックレザー製のキャリングストラップとバッグも登場。

1954年の登場以来、直感的な操作性と静寂なシャッター音により、目立たずに撮影できる独自のスタイルで、出来事の真っ只中で状況をリアルかつ鮮明に捉えるルポルタージュに最適なカメラとして広く世界に名を馳せてきたM型ライカ。

ストリート写真はもちろん、ロバート・キャパや沢田教一など多くの戦場カメラマンにも愛され、世界の歴史的な瞬間を克明に記録した名作写真を数えきれないほど生み出してきた。

そんな偉大な先人たちの功績を未来へと受け継ぐべく、「ライカM11-P」は真実を記録し、担保する道具として、デジタルカメラの新たなスタンダードとなっていくに違いない。

ライカカメラジャパン