イヴ・サンローラン展から生誕120年・棟方志功展まで【Penが選んだ今月の展覧会2選】

  • 文:河内タカ(アートライター)
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イヴ・サンローラン美術館パリの協力のもと、没後日本では初となる大回顧展

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カクテル・ドレス―ピート・モンドリアンへのオマージュ 1965年秋冬オートクチュールコレクション © Yves Saint Laurent © Alexandre Guirkinger

クリスチャン・ディオールの急死を受け、21歳でディオールのチーフデザイナーとなったイヴ・サンローラン。その4年後には自身のブランドを発表し、それから約半世紀にわたって世界のファッションシーンをリードし、「モードの帝王」とまで呼ばれた。アートにも造詣が深く、ピート・モンドリアンの幾何学作品を模したカクテル・ドレスは特に有名。本展では40年にわたるイヴ・サンローランの歴史を、ルック110体やドローイングなど約300点によって紹介する。

『イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル』

開催期間:~12/11
会場:国立新美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~18時(金、土は20時まで) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜日
料金:一般¥2,300 
https://ysl2023.jp

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板画、倭画、油彩画… 棟方の活動を幅広く紹介する

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『幾利壽當頌耶蘇十二使徒屏風』1953年 五島美術館

軍艦マーチを口ずさみながら一心不乱に版木に向かう棟方志功の姿を映像で見たことがある。「わだばゴッホになる」と常々語っていたその鬼気迫る姿はなんとも衝撃だった。民藝運動の柳宗悦や河井寛次郎らとの交流も棟方に多大な影響を及ぼしたと言われているが、彼は版画を「板画」と称し、木版の特徴を活かした作品を一貫してつくり続けた。本展は棟方が創作の拠点とした青森、東京、富山の3つの地域の美術館が協力し、棟方芸術を再考する内容になる。

『生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ』

開催期間:10/6~12/3
会場:東京国立近代美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~17時(金、土は20時まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(10/9は開館)、10/10
料金:一般¥1,800
www.munakata-shiko2023.jp

※この記事はPen 2023年11月号より再編集した記事です。