酒好きの甘党にお薦めしたい、ラムとスイーツのマリアージュ【プロの自腹酒 vol.12】

  • 文:西田嘉孝
  • 写真:榊 水麗
  • イラスト:阿部伸二

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トラベラーズリカーズ蒸留所/1731ファイン&レア ベリーズ12年

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ブランド名の「1731」は、英国海軍が兵士にラムを与えて士気を高める慣習が始まった年を意味する。中米のリゾート地、ベリーズのトラベラーズリカーズ蒸留所でつくられた原酒を、バーボン樽に詰めて同地で12年以上熟成させたシングルオリジンラム。スコットランドなどに比べて倍以上の速さで熟成が進むとされる常夏の国が生む、スパイシーかつトロピカルなフレーバーが楽しめる。700㎖ ¥6,600/グローバルグロサリー TEL:03-6260-9303

1997年にラム専門バー、スクリュードライバーを吉祥寺にオープンし、2008年には日本ラム協会を立ち上げて会長に就任。日本におけるラムのパイオニアとして知られる海老沢忍さん。

「仕事柄、日中はラムなどのお酒をたくさんテイスティングするので、家ではあまり飲まないようにしているんです」

そう話す海老沢さんにとって、晩酌代わりの楽しみがスイーツを食べる時間。夏なら水羊羹やわらび餅、秋はモンブランやスイートポテト、冬ならチョコレート……と、季節に応じてとっておきのスイーツを楽しむという。

だから自ずと、自宅で楽しむ“自腹酒(じばらざけ)”もそんなスイーツと相性のよいものになる。

「黒糖焼酎などもいいですが、仕事がひと段落した時など、家で開けたくなるのはやっぱりラム。とはいえ最近はヨーロッパでラムが大人気で、ジャマイカやガイアナなど、主要な産地のラムは値段が高騰してしまっています。だから狙い目は、マイナーな産地の品質の高いラムです。なかでもベリーズでつくられる1731ファイン&レア ベリーズ12年は、値頃感もあって普段飲みにもぴったりの一本です」

カリブ海に面する常夏の国で12年以上の熟成を経たラムは、バニラのような甘い香りや完熟した果実のフレーバーが特徴。海老沢さんのお気に入りは、大好きな水羊羹とのペアリング。

「ラムに感じるザラメのようなニュアンスや渋み、トロピカルな香味が、水羊羹のおいしさを相乗効果のように引き立ててくれるんです」

自ら海外で買い付けたラムのボトリングやスパイスドラムの開発も行い、「今後はスイーツのプロデュースも手がけたい」と話す海老沢さんが薦める“自腹酒”。ラム好きのみならず甘党の人にはぜひお試しいただきたい、手軽で至極のマリアージュだ。

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ラムの香味と響き合う、水羊羹の濃厚な甘み

濃厚な味わいのダークラムはスイーツとの相性も抜群。特に海老沢さんの定番のおともが“水羊羹”。羊羹の甘味が残るうちに、ラムをストレートでちびりと味わうのが正解だ。

海老沢 忍

1970年生まれ。ラム専門バーの経営や野外フェスへの出店、日本ラム協会設立や日本初のラム専門書の出版などを通じ、日本のラムカルチャーを牽引。

スクリュードライバー

住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-15 東永ビル 4F 
TEL:0422-20-5112

※この記事はPen 2023年11月号より再編集した記事です。