宇宙人のミイラは「妊娠していた」…メキシコの医師らが主張「人や動物の骨の組み合わせではない」

  • 文:宮田華子

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@MaussanTV – YouTubeのキャプチャ画像

去る9月13日、UFO研究家らが「ミイラ化した宇宙人の遺体」と主張する2つの標本をメキシコ議会で公開した。このニュースは世界中で報道された。この件に関しては、この記事でも紹介したとおりだ。

ガラスケースに“安置”されて公開された2体の標本は、細長い頭部を持ち、両手には3本の指がある。ペルーのクスコで発見されたもので、およそ1000年前のものと推定される。

この公開は有名なUFO研究家であるハイメ・マウサン氏主導で行われた。「1000年前の宇宙人のミイラ」というにはあまりにも損傷がなく、ある意味人々の「宇宙人実在願望」どおりの形状であったため、「これって本物なの?」と思う人は多かったはずだ。

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ハイメ・マウサン氏。

マウサン氏は(ミイラの)DNAの約3分の1が未知 (の成分)であり、標本は 「地球上における進化の一部ではない」とコメント。メキシコ政府やアメリカ代表らへのプレゼンテーションで、「2体はUFOの墜落から回収されたものではない」「珪藻土(藻類)鉱山で発見され、その後化石化したもの」と説明した。

マウサン氏らの主張に対し、科学の専門家からの批判的意見は多かったが、マンチェスター大学(イギリス)の物理学教授であるブライアン・コックス氏もその一人。Sky Newsは、「(標本を本物の宇宙人というには)あまりにも人間的すぎる」「別の惑星で進化した知的生命体が私たち(人間)に似ている可能性は非常に低い」というコックス氏のコメントを紹介している。

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TVプレゼンターとしても活躍する、ブライアン・コックス教授。

こうした批判を受け、9月18日、メキシコ海軍の保健科学研究所所長ホセ・デ・ヘスス・ザルセ・ベニテス医師を始めとする専門家チームがこの「ミイラと思われる標本」の臨床検査を行った。

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検査前チームとマウサン氏(左から2番目)。@MaussanTV – YouTubeのキャプチャ画像。

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@MaussanTV – YouTubeのキャプチャ画像

Metroによると、この検査の結果、遺体は単一の骨格でできており、(異なる人や動物の骨を使って)組み立てられたものではないことが判明したという。

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この検査の模様はマウサン氏のYouTubeチャンネルでライブ配信された。@MaussanTV – YouTubeのキャプチャ画像

ベニテス氏は「頭蓋骨が組み立てられたり、操作された証拠はない」と語っている。

加えて、驚きの発見もあった。2体のミイラ(クララとマウリシオと命名されている)の内「クララは妊娠していた可能性が高い」というのだ。

 

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確かにしこりのようなものが映っているが…。@MaussanTV – YouTubeのキャプチャ画像

Daily Mailによると、検査チームは「ミイラをスキャンしたところ、クララの腹部には大きな塊(しこり)があり、卵である可能性がある」との見解を述べている。

本物であれば世紀の大発見であるが、マウサン氏とベニテス医師には実は「黒歴史」がある。2015年、ペルーのナスカ近くで発見された別のミイラ化した遺体について、2人は「宇宙人のものである」と主張した。しかしその後の検査により、このミイラは人間の子どもの遺体であることが判明している。

今回の2体の「宇宙人ミイラ」の騒動は、これで終息する気配はない。今後の調査の行方にも注目したい。

【次ページ(動画あり)】2体の宇宙人ミイラの検査風景、一部始終を公開

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マウサン氏のYouTubeチャンネルで公開された宇宙人ミイラの検査風景はこちら。「エイリアンのミイラ」を軽々と持ち上げる様子等、重さや質感が映像からよく分かる。

 

 信じるも信じないもあなた次第だ。