メキシコ議会で「宇宙人」の遺体披露、UFO研究家が公聴会で証言

  • 文:松丸さとみ
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Ignatiev-istock ※画像はイメージです

アメリカの議会や政府では、UFO(未確認飛行物体。近年アメリカでは未確認航空現象、UAPと呼ばれている)情報が次々と公表されている。こうした動きに触発されてか、メキシコの議会でもこのほど、UFOに関する公聴会が開かれ、宇宙人の遺体とされるものが公開された。

ナスカの地上絵付近で発見?

メキシコ議会に招かれて、ミイラ化した「宇宙人の遺体」を公開したのは、UFO研究家でジャーナリストのハイメ・マウサンだ。ロイター通信によると、マウサンはこの遺体について、2017年にペルーの「ナスカの地上絵」付近で発見されたと主張している。また、炭素年代測定法を使い、メキシコ国立自治大学(UNAM)によって、1000年前のものであることが確認されているとしている。

ロイター通信によると、エックス線、3次元復元、DNA分析を行った結果、この遺体は「人間とはまったく関係ない」ものである、とメキシコ海軍の衛生科学研究所のディレクターが断言しているという。

嘘の「宇宙人」写真でイベントを開催した過去が

今回公開された宇宙人の遺体について、SNSのRadditには、「既に2021年に嘘が暴かれている」という動画が9月14日に投稿された。動画は、宇宙人の遺体とされるものは、ラマなどの哺乳類を使ってつくられたものだと主張している。

大手各紙もまた、マウサンの公聴会での発表や主張について、「眉唾」であるとの論調で伝えている。

ロイター通信によると、UNAMはマウサンの発表の翌々日にあたる9月14日、2017年当時に公開した声明を改めて公開。そこには、UNAMにある国立加速器質量分析研究所(LEMA)で行った作業は、検体の年代特定だけを意図したものであり、「この検体の出どころについて、当所はいかなる結論を出すものでもない」と書かれているという。

さらにニューヨークタイムズ紙(NYT)は、UNAMが声明の中で、「クライアントから提供された皮膚の検体を、炭素年代測定法を使って調べただけ」だと主張していると報じた。NYTはさらにマウサンの過去に触れ、これまでも、テレビやYouTubeで聞きかじりの疑似科学をもとにした主張をしつつ、自分が販売している健康サプリメントを売り込むことで有名だ、と報じている。

宇宙に関する情報に特化したサイトspace.comも、「マウサンは偽りのエイリアンの遺体を持ち出してきた過去がある」としている。それによると、2015年にメキシコシティでイベントを開催し、そこで「宇宙人のミイラ」だとするピンぼけした写真を公開。ところが数時間後、この写真は実は何十年も前に博物館で展示されていた、アメリカ大陸の先住民の子どものミイラであることが発覚したという。

アメリカの航空宇宙局(NASA)は9月14日、UAP研究に関する報告書を発表する会見を行ったが、その際に英BBCの記者が、宇宙人の遺体についてメキシコ当局と連絡を取り合っているか、と質問した。NASAのUAP研究会を率いるデビッド・スパーゲルは、「メキシコ政府に提言するとしたら、何か変わったものがあるなら、それを世界中の科学者が研究できるよう公開すべきということ」だと述べている。

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