現存する時計ブランドのなかで“世界最古”といわれるブランパン。その数百年にわたる歴史の中でもアイコニックな存在と呼べるのが、1953年に発表された世界初の本格的なモダンダイバーズウォッチ「フィフティ ファゾムス」だ。時計業界に革命を起こしたコレクションの誕生70周年を祝して、10月4日から9日まで大阪の阪急うめだ本店にてエキシビションが催される。

いまから70年前、ブランパンの共同CEOで熱心なダイバーでもあったジャン=ジャック・フィスターが、自身の経験からスキューバダイビングに適した時間計測器の必要性を痛感し製作した「フィフティ ファゾムス」。
リューズパッキンの摩耗が少ない自動巻き機構、ダイビングに必要な耐磁性や10気圧以上の防水性、そして文字盤の視認性を高める夜光マーカーなどを特徴とし、現代まで続くモダンダイバーズウォッチの原型を見事につくり上げた。さらには二重の防水シールが施されたリューズ、裏蓋にある密閉システム、ロック可能な回転ベゼルは特許を取得し、その性能の高さはフランスやドイツ、アメリカなどの軍にも採用されるほどであった。
初代の発売後も、ジャン=ジャック・フィスターは、より安全なダイビングに欠かせない機能を次々と開発し搭載させた。1957年に発表されたMIL-SPECウォッチの文字盤には6時位置に防水性表示が取り入れられ、アメリカ海軍モデルの仕様にも採用された。このアイテムはコレクターの間で最も希少で人気の高い時計のひとつになっている。


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「ブランパン フィフティ ファゾムス 70周年記念エキシビション‐ザ・スピリット・トゥー・プリザーブ」と銘打った今回のエキシビションでは、先日発表されたばかりの555本限定生産の記念モデル第3弾「フィフティ ファゾムス 70周年 Act3」がお披露目される。このモデルは前述のMIL-SPECモデルにオマージュを捧げたもの。
マットブラックの文字盤には防水性表示のほか、スーパールミノバが塗布されたヴィンテージ風インデックスとダイビングスケール付きの逆回転防止ベゼルを備えている。オリジナルモデルと同じカラーコードのNATOストラップは、回収した漁網からつくられたリサイクルナイロン製で、ブランパンの海洋保全への強いこだわりが滲む。
そしていちばんのポイントは、特許取得済みの合金・9Kブロンズゴールドをケースに用いていること。ほのかにピンクを帯びた美しい色合いを持つブロンズは、肌にも優しく、酸化による緑青の発生も抑えられるという。ダイバーズウォッチの伝統や高度な性能を誇りながらも、ラグジュアリーな素材や意匠を凝らしたこのモデルは、スウォッチとコラボレーションした記念モデルを発売するなどいまもなお革新を続ける「フィフティ ファゾムス」を体現しているようだ。
ダイバーズウォッチの開発をきっかけに、ブランパンは海洋探検家や写真家、科学者、環境保護運動家らとの絆を育み、海洋保全にも熱心に支援を続けている。イベントではブランドが長きにわたり情熱を注いできた海洋保護活動の映像や、海の美しさを直感的に伝える写真も展示される。コレクションのこれまでの歩みだけではなく、70年の時を経てさらなる進化を感じさせるこの催しに、ぜひ足を運んでみてほしい。

ブランパン フィフティ ファゾムス 70周年記念エキシビション‐ザ・スピリット・トゥー・プリザーブ
開催期間:2023年10月4日(水)〜 9日(月・祝)
開館時間:10時~20時(最終日は18時まで)
開催場所:大阪府大阪市北区角田町8-7 阪急うめだ本店 9階 阪急うめだギャラリー
TEL:06-6361-1381(大代表)