イングランド北部・ヨークの街で、無人で進む“幽霊自転車”が監視カメラに収められた。現地で定期的に催されているフリーマーケット「シャンブルズ市場」の公式アカウントが、Facebookの投稿を通じて映像をシェアしている。

映像では夜間、誰も乗っていない自転車が小道から現れ、まるで幽霊が漕いでいるかのようにヨークの古い通りを横断する。幽霊だと信じる人々が背筋を凍らせる中、市場のPRだとする冷静な意見など、さまざまな声が出ているようだ。

古い通りを無人自転車がゆく……

動画は15秒ほどの短いものだ。通りに設置された監視カメラが、シャンブルズ市場が通常開かれる広場付近のリトル・シャンブルズ通りを映している。ヨークでも最も古い通りのひとつだ。

夜間、街頭の薄明かりに照らされた重厚な石畳の道は、歴史の重みを感じさせると同時に、見方によってはやや不気味な雰囲気さえ帯びる。通り沿いにはいくつかの店が並ぶが、いずれもすでに営業を終え扉を閉ざしているようだ。

不意に画面右側、静けさに覆われた通りの脇道から、よろよろと進む自転車が通りに入ってくる。前輪からゆっくりと画角に入って来るが、車体全体が姿を現しても、乗っている人間の姿は見えない。

まるで人間が乗っているかのよう

無人の自転車はそのまま小さな通りを進み、画面右手側から左手側へと横断しきる。少しぐらつきながらも、絶妙なバランスを取って進んでいるようだ。

画像が粗いため確認が難しいが、ときおりハンドルの角度が変わり、石畳の路面の凹凸に応じて進路を調整しているようでさえある。

自転車は歩道の段差に突き当たる形で止まり、数秒ほど直立状態を保ったあと、ついに路面に倒れた。前進しているあいだはペダルこそほぼ回転していないものの、しっかりと前へ進んでいる。遠目にはまるで、幽霊が漕いでいるかのようだ。

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「ぞっとした！」幽霊におののく人々

ウェールズの地方ニュースメディア、ウェールズオンラインは、この動画を紹介。「多くの人が幽霊だと確信」しており、「寒気がする」との声も上がるなど、話題になっていると報じている。

もっとも、通りの陰から誰かが自転車を手で押し出したのではないかとの意見や、市場側の話題づくりだなどとする冷めた見方もあるという。一方、「たとえ誰かに押し出されたとしても、あんなにバランスを保ち続けられるはずがない」など、超常現象だと確信する人々も少なくないようだ。

イギリスの地方紙であるノーザン・エコーは、ヨーク周辺は心霊スポットをめぐる「ゴースト・ウォーク」のツアーが人気を博していると紹介。噂では、海軍の制服を着てヨーク・ミンスター大聖堂の通路を夜な夜な歩き、訪れた女性の耳元にささやきかける霊がいるのだという。

夜道で出会いたくない幽霊自転車

シャンブルズ市場は投稿を通じ、「昨日、とても奇妙なものが監視カメラに収められました……この映像にはゾッとします」とコメントしている。また、「見解をお寄せください。町中で奇妙な超常現象に気づいた人はいますか？」とも述べ、視聴者の意見を募った。

動画は話題を呼び、1000件を超えるコメントが寄せられている。「本当に幻想的（おばけの絵文字）」とのコメントや、興味深い影像として友人にシェアする反応が目立った。

幽霊騒動の真相は定かでないものの、もし歴史ある夜道で無人の自転車を目撃したら……と想像するに、背筋が凍る体験であることに間違いなさそうだ。

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@hauntsfromthesouth Ghost rider or nothing more than a prank? #ghostbike #hauntedyork #ghostcaughtontape #cctvfootage #shamblesyork #ghosttoks ♬ Action thriller music - Jun Naotsuka

人気のない石畳の通りを、無人の自転車がゆらゆらと進む……。