ガレージは男の隠れ家、憧れの場所。会員制ガレージ & クラブを大阪で観てきた

  • 文:小暮昌弘

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アメリカ映画を観ていると、家の“ガレージ”がよく出てくる。1985〜90年に公開された『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ、クリント・イーストウッドが監督・主演した『グラン・トリノ』(08年)など多くの映画にガレージが登場する。失礼を承知で言えば、特別裕福な家でもなさそうなのに多くのアメリカの家にはガレージが付いている。広大な敷地をもつアメリカならではのライフスタイルかもしれないが、男にとってはまさに夢の生活、あこがれのスペースだ。私もどれほど夢見たことか。クルマ好きならばなおさらのことだろう。

そんなガレージをめぐって新しい試みをしている施設がオープンすると聞き、大阪まで行ってじっくり見学してきた。

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「The Garage」と名付けられたガレージスペース。現在、17室が用意されているが、用途は自由。マイカーの保管室として利用するだけでなく、家具などを持ち込めば、オフィスなどの空間にもなる。

その施設は大阪府内の西区立売堀につくられた「ESC Garage & Club」。世界初、完全会員制のガレージ&クラブで、施設のコンセプトは「Escape」で、「ESC」の名前もこのコンセプトに因んでいる。クルマを愛する人たちが一つ屋根の下に集う会員制のシェアハウス的なもので、敷地面積は2,310㎡と広大な場所に建設されている。施設はクルマを管理できるガレージだけでなく、ラウンジやバー、あるいは最近人気沸騰中のサウナまで備え、アストンマーチン、ランドローバーといった特別なクルマのカーシェアのシステムまで完備している。

コンセプトに掲げられているように、「忙しい日常から解放され、愛車と向き合いながら自分の好きな時間を過ごせるサードプレイスを提供できないかという想いから考案した」とこの施設をデザインしたESCファウンダーの池田浩八さんは話す。

Clubメンバーは、会員限定スペースである「ESC Club」に入ることができ、ラウンジ & バー、サウナ、カーシェアリングを利用することができる。「アメリカのスピークイージー(禁酒法時代にアルコール飲料を隠れて提供していた場所)みたいに、ESC Clubに入るドアもわざと“秘密の入り口”風につくりました」と池田さんは笑う。都会に暮らしながらも「隠れ家的な場所」でリラックスできる時間を堪能してほしいというのが池田さんの願いだ。ラウンジやサウナにはこの施設のクリエイティブ・ディレクターであり、世界的なデザイナーとして活躍するトム・ディクソンによる椅子やテーブルなどの什器が並ぶ。彼の作品に囲まれように優雅な時間を過ごせるというのもこの施設のラグジュアリーなところだろう。

肝心のガレージだが、この施設には愛車をアートのように眺められるラウンジが併設されたプレミアムなガレージが全17棟用意され、「既に予約されている人もいる」と池田さんは話す。そのままでもガレージとして十分使えるように考えられているが、トム・ディクソンをはじめとする世界的なデザイナーと一緒に自分が理想とするガレージ & ラウンジをオーダーメイドでつくることもできると聞く。もちろんGarageメンバーになれば、専用ガレージの利用に加え、ラウンジやバーがある「ESC Club」に入ることもでき、この施設を自分の別宅、あるいはオフィスにように使うことが可能だ。

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会員が利用できるラウンジ&バー。

 

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インテリアはすべてトムディクソンによるもの。メイン棟の離れにつくられた会員が利用できるサウナ。これもトムディクソンの製品が使われている。

英国やアメリカなどには、会員だけが利用できる「ジェントルマンクラブ」のような施設がよくあるが、「ESC Garage & Club」はメンバー以外の人が利用できるパブリックエリアを設けていることが一般の「ジェントルマンクラブ」と大きく違うところだろう。現在、パブリックエリアに出店しているショップを紹介しておこう。

メディアにも多数紹介され、予約必須店と知られた「二甲料理店」は、カジュアルな立ち飲み形式の店として出店、神戸発のネオクラシックな理髪店「MERICAN BARBERSHOP」は、この場所に因んで「CARWASH BARBER」と名付けた理髪店を開いている。また「ペットへの健康意識やライフスタイルに応えるために、人間基準のサービスを提供する」ことを掲げる犬の幼稚園「bonne puppy」も施設内にオープンしている。メンバーにならなくてもこれらのショップはもちろん利用できる。それだけでもこの場所に出かけていく価値は大いにあるだろう。

「ESC Garage & Club」を拝見して感じるのは、ガレージは自分で用意するのではなく、借りるという時代になっていくということだろうか。しかしシェアを楽しむ現代のトレンドにもマッチしているようにも思える。愛車をガレージに停めた後は、ラウンジを利用してリモートで仕事をこなし、サウナで心身ともにリフレッシュ! そんな現代的なライフスタイルさえ連想できる。

9月16日から既に施設はオープンしているが、メンバー加入などにご興味がある方は、ぜひ以下のサイトからアクセスして欲しい。

ESC Garage & Club

https://esc-gc.com/