【東京クルマ日記〜いっそこのままクルマれたい〜】 第183回“これはもう旗艦というべきモデル?  田園調布がこれほど似合うEVはないかも!”

  • 写真&文:青木雄介

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フロントフェイスは「ブラックパネル」と呼ばれ、カメラやセンサーなどを内蔵。表面にはスリーポインテッドスターがあしらわれている。

たまに大田区田園調布の端から駅まで歩いてみるんだけど、給電設備を整えたお宅が増えていて、この保守的な高級住宅街にもEVライフが日に日に浸透している印象なのね。豪邸ほど要塞のようになっていてガレージを伺い知ることはできない。それでもこの地域はやはりメルセデス・ベンツ(メルセデス)が強いのね。それも中型SUVのEQCが多い印象。

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EVらしいセンターコンソールとダッシュボードが一体化したインテリア。

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ほとんど都内でも見ないのに、田園調布にはオーナーが複数存在しているっぽい(笑)。で、横にはほとんど動いてなさそうなロールスやベントレーがあったりもするんだけど(笑)、どうやら普段のアシは「メルセデスのEV」っていう、自宅給電が当たり前のお手本のような使い方をされているらしい。

このEQE 350 SUVは、そんな田園調布のアーリーアダプターにこそうってつけ。EQCより高級志向でサイズも大きい。航続距離528kmを堪能するために、軽井沢まで遠出してきたんだけど、往復約350kmは余裕で無給電。自宅に給電設備がつくれるなら、もはや同クラスのエンジンモデルである「GLEには戻れない」と思ったね。

横幅が2mを越えていたり、荷室も狭くなってしまっていたりと多少の難点はあっても関係ないですよ。なぜなら運転感覚がなじみのガソリン車とはまったく違っているから「新車ならこっち(EV)」となってしまう。「新しいライフスタイルを始めたい」と考える向きにとって、メルセデスのEVは間違いなく生活のランクアップにつながるはずなんだ。

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もはやインテリアの中心的存在になった直感的タッチ操作を可能にする高精細メディアディスプレイ。

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では、メルセデスのEVはなにがいいのだろうか? まず高級車として大切な圧倒的な静粛性がある上に、メルセデスならではの回生ブレーキにまつわるマナーがある。パドルシフトで強弱を変えたりしつつ、ワンペダルドライブも可能。さらにインテリジェント回生モードを使えば、ほぼブレーキングをクルマにお任せする「お大臣モード」も可能。このモードは距離が伸びれば伸びるほど楽だし、快適極まりない。ARナビゲーションやヘッドアップディスプレイの過剰とおもえる走行中のインフォメーションも、クルマに任せる範囲がひろがれば「アリ」と思えるワケ(笑)。

たとえば自分のクルマが現在、何%の勾配を走っているのかとか、一見して必要のない情報だって妙に興味がわいてくる(笑)。これって運転中の余裕から生まれる心の動きなんだ。

「ああ、その瞬間がメルセデスだね」と思われた貴方、お住まいは田園調布ですか(笑)?

実際のところ、軽井沢に行くぐらいなら余裕しゃくしゃくすぎてクルマで行った実感すら忘れてしまうほど。相変わらず車体の構造から音響が考えられている素晴らしいサウンドシステムと相まって、道中で聴いた音楽が忘れがたく感じられる。運転以外の体験の比重が上がるんですよ。

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シートはスリムな一体型の形状で本革のカバーを上から掛けたように見えるデザイン。 シートは輪郭に沿って照明付きパイピングが施されている。

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一般的にSUVという重心が高くなる車型はEVになると足回りの処理にものすごく苦労している印象があるんだけど、その点、メルセデスは上手に足回りを仕上げている。エアサスペンションは伸びやかに上下動し、自重で路面入力を反発させて抑え込むのに余念がない。でもやっぱり重いのね(笑)。2.6トンといえば完全に旗艦車種クラスの重さですよ。それに加えて旗艦車種のEQSとの大きな違いといえば出力と車体の大きさ、後席と荷室の広さぐらいで、いままでの「Eクラス」と「Sクラス」ほどの違いは感じられなかった。

エンジン車では車重はもちろん、積んでるエンジンの特性や馬力の出方でクラスの違いを繊細に表現できていた訳ですよ。でもEVになるとEQEではなくEQSを選びたくなる説得力がいまひとつ欠けている。これだと「EQEでEじゃん(笑)」って話になりかねない。はたして田園調布のメルセデスオーナーが今後どんな選択をしていくのか、楽しみではあるんだけど。

 

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トランクルームは 520リットル で、後部座席を倒すことで最大1675リットルの積載空間が生まれる。

 

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リアコンビネーションランプの内部は曲線的ならせん構造になっていて、立体的に見えるのが特徴。エクステリアコンセプトは「Sensual Purity(官能的純粋)」の思想から生まれた。

メルセデス・ベンツ EQE 350 4MATIC SUV
Launch Edition

サイズ(全長×全幅×全高):4880×2030×1670㎜
バッテリー容量:90kWh
最高出力:292ps
最大トルク:765Nm
駆動方式:4WD
航続可能距離(WLTCモード):528km
車両価格:¥13,697,000(税込み)~
問い合わせ先/メルセデスコール
TEL:0120-190-610
www.mercedes-benz.co.jp