米国ホンダが、スーツケース型の電動スクーター「モトコンパクト」を発表した。ボックス状のボディにハンドルなどを装備したユニークな形状となっており、公式動画は「どこにでもマッチし、そしてどこででも目を引く」とPRしている。
コンパクトな薄型ボディ自体が収納ケースとなり、ハンドル、シート、後輪、スタンドを折りたたんで格納できる。車に積み込んだり、公共交通機関でも楽に持ち運んだりと、活用の幅が広がりそうだ。1980年代にホンダが発売した折りたたみ式レジャーバイクの名機「モトコンポ」を彷彿とする。価格は995ドル(約15万円)で、今秋アメリカで発売予定だ。
近場からレジャーまでさまざまなシーンで
「モトコンパクト」は近所の友人たちを気軽に訪問したり、車のラゲッジルームに積み込んでレジャーの幅を広げたりと、さまざまな形で活躍しそうだ。
最高速度は15mph(約24km/h)だ。原付には速度でおよばないが、街中を走るマウンテンバイクと同等かやや速い移動が可能となっている。110Vの家庭用コンセントを使って3.5時間でフル充電でき、航続距離は12マイル(約19.3キロ)だ。
コンパクトなボディながら、可搬重量は265ポンド(約120kg)まで対応する。自重は41.3ポンド(約18.7kg)に抑えた。手持ちでの運搬は厳しいが、大きめのスーツケース並みとなっている。
人目を引くルックス…米誌「フォトショではない」
愛らしいビジュアルが、早くも米メディアの注目を集めている。テックメディアのエンガジェットは、「フォトショップなんかじゃない」と述べ、ユニークなルックスを強調。
実用性についても、コンパクトで持ち運びやすいデザインにより、「eバイクやスクーターの利便性を求めつつも、一日中しっかりと施錠しておく手間を省きたい都市部の市民にとって、大きなセールスポイントになるだろう」と高く評価している。
テック・クランチは、「まさに私の夢から盗み出されたものだ」と述べ、かねて願望だったeバイクが実現したと喜ぶ。「いやおうなしに惹かれ、悲痛なほどダサくもあり、なおかつとても可愛らしい」と述べており、スタイリッシュというよりは愛情が湧くようなデザインだと受け止めたようだ。
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「モトコンポ」のコンセプトが復活
米自動車メディアのジャロプニクは、1980年代の内燃エンジン版「モトコンポ」と対比。ユニークな名機を現代風にアレンジした、と紹介している。「21世紀のモビリティのために作られた」とも述べ、惜しまれつつも消えた可搬バイクのコンセプトが、eバイクとして復活したことを歓迎している。
米インサイダーは、「かわいくて乗りやすいスーツケースのような形」のeスクーターとして紹介。街中や大学のキャンパス内での移動に重宝されるだろうとし、「私は夢中だ。何というか、文句の付け所がない」とコメントした。
同記事では活用シーンのアイデアも具体的に紹介している。電動自動車に搭載して持ち運べば、自動車側を母艦としていつでも充電ができるため、さらに合理的に運用できるのではないかとの提言だ。
「実際に欲しい!」
19kmの航続距離についてはもう少し余裕が欲しかったという意見や、eモビリティーシリーズ「セグウェイ - ナインボット」が強力なライバルになるのではないかとの見方もあるようだ。一方で、北米ホンダが公式YouTubeチャンネルで動画を公開すると、視聴者からはポジティブな反応が寄せられた。「電動の移動手段として実際に欲しい! (995ドル、約15万円の)価格帯もちょうどいいし、買ってみようかな」「だから私はホンダファンをやめられない(ハート)」「とてもスマートなデザイン。スクーターや自転車を交通機関、特に地下鉄に持ち込むのは、いつも気まずい思いをする。スーツケースのような外観は、とても独創的なアイデアだ」
シンプルかつユニークなデザインのモトコンパクトに惹かれ、ちょっとした移動シーンで活用したいと考えている人々は多いようだ。
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