デイヴィッド・リンチ、デニス・ホッパーも参加!アニエスベーのアートTシャツ展が豪華すぎる

  • 写真・文:一史
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フランスのファッションブランド、アニエスベーが主催する歴代アートTシャツ展覧会「「NOBODY OWNS ME」。

東京・青山、表参道に行くことがあれば、「アニエスベー 青山店」2階の外階段から行ける「アニエスベー ギャラリー ブティック」にさくっと立ち寄ってみてはいかがでしょう?
1990年代から現在まで続く、アニエスベー×美術作家たちとのアートTシャツ展です。
12時〜20時で夜までやってますし、無料ですし。
現行品ならその場で買えちゃいますし。
早く行かないと会期が9月3日(日)で終わってしまいます!
ファッションデザイナーのアニエスが主催した展覧会記念や、作家に依頼した作品のTシャツ。
存在自体に意味がある、説得力のあるアーカイブ展です。

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中心部2点はギルバート&ジョージのもの。
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ファッション分野は、美術分野と蜜月な関係にあるデザイン産業。
ただし一般的にアートTシャツは服としても作品としても中途半端になりがちです。
紙のポスターや書籍なら平面作品の平面性が保たれている時点で実物に近いのでしょうが、揺れ動く布にプリントされるともはや別モノ。
アートTシャツは展覧会の記念品、着ることでの他人への「推し」アピール、ぬいぐるみでバッグを飾る子供と同様の「一緒にいたい」グッズ。
そこに独特な立ち位置があります。
直線的な四角い形(キャンバス、カメラの画角)の絵や写真を、曲線で身体に沿う柔らかなTシャツの上に置くことに違和感を抱かせないバランスのいいアートTシャツがあるなら、それは“完成度の高い服”でもあります。

アニエスベーのコラボTシャツ展のなかには、こうした魅力的な服が散見していました。
それが著名人とのコラボだと、なおさら興味を惹かれてしまいます。
ここではそんなアイテムを幾つかご覧いただきます!

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大山エンリコイサム

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高騰するアート市場にはそこそこ以上の関心はありませんが(そこそこ、はある)、値上がりしてるんでしょうねえ、きっと。
この作家さんの作品は。
グラフィティ(街の落書き)やタトゥーを超えた力強さに惹かれていて、約半年前に某現代美術オークションの内覧会場でようやく実物を目にできました。
作家はイタリアと日本のハーフでLAと東京にスタジオをお持ちのようです。
類似したグラフィックTシャツとは、やはり次元の違う“うねり”を感じます。
Tシャツになったことで、作家性がより浮き彫りになった稀有な例ですね。

現行品ですから会場で買えたのですが、¥15,000以上だったのでひとまず断念。
でもほしいなあ、着なくても……。
(おっさんなので似合わない)

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デイヴィッド・リンチ

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カルトな映画監督で名高い大御所デイヴィッド・リンチに、アニエスベーがアイコンカーディガン(カーディガンプレッション)40周年記念で撮り下ろしてもらった写真のTシャツ。
人の顔の左の赤いのがカーディガンの一部。
毒っぽい赤い色がなんともリンチ色です。

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こちらは映画「ワイルド・アット・ハート」のリンチのドローイング。
アニエスはリンチと親交が長く、映画に衣装提供もしているそう。

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ウォン・カーウァイ

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大人世代には懐かしくもあるでしょう、香港の映画監督ウォン・カーウァイ。
映画のワンシーンかと思いますが、大胆なプリントで服としての面白みはこの展覧会のなかでトップクラスでした。

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デニス・ホッパー

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名優デニス・ホッパーはアートや写真制作の評価も高いそうです。
アニエスベーのために特別製作したというこのTシャツ、ウォン・カーウァイと同様に服としてバツグンの一枚。

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ジャン=ミシェル・バスキア

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アニエスは当人と面識があり、個人コレクションでも所有しているそうです。
バスキアTシャツが世に数多くあっても、そんな事情を知ると力強く見えてきますね。
同展覧会は原画や作品集と一緒に展示されてたり、鑑賞の手助けになる要素が多いです。
服を並べるだけでない工夫がしっかりと。

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デボラ・ハリー(のステージ)

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撮った写真家は、ピエール・レネ=ウォルムス。
アニエスベーで展示された写真を本にした「ニューウェーブ」の表紙にもなった、バンド「ブロンディ」ボーカルのデボラ(デビー)・ハリー。
1970年代後半から80年代前半のイギリスのニューウェーブ音楽シーンの記録。
Tシャツとしてはまぁフツーながら、ビンテージTシャツのような味わいに惹かれました。

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これらは現行品として販売中のもの。
ここで購入できます。

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ブランドロゴ服が10代の頃から苦手で(いまでも)、一切のアイコンを服につけなかった日本上陸した頃のアニエスベーが大好きでした。
古着みたいなニュアンスもあって、パワフルデザインだった他デザイナーズとは一線を画してましたし。
トカゲマークをアイコンにしてちりばめる作風に変わってから正直気持ちが離れてしまいましたが、クリエイティブな活動と手に届きやすい価格帯のフレンチ・カジュアルを提案する姿勢を常に尊敬してきました。
対比されるA.P.C(アーペーセー)が男性ディレクターでマスキュリンなのに対し、女性ディレクターのアニエスベーには軽快な洒落感があるように思います。
終了間もないアートTシャツ展をお見逃しなく!


All photos&text©KAZUSHI

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【画像】デイヴィッド・リンチ、デニス・ホッパーも参加!アニエスベーのアートTシャツ展が豪華すぎる

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フランスのファッションブランド、アニエスベーが主催する歴代アートTシャツ展覧会「「NOBODY OWNS ME」。

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中心部2点はギルバート&ジョージのもの。
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高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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