「大人の名品図鑑」ミッション:インポッシブル編 #4
トム・クルーズが主演を務め、世界的な人気を誇るアクション映画「ミッション:インポッシブル」シリーズ。待望の最新作、シリーズ7作目の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が今年7月に公開された。今回の「大人の名品図鑑」は、この人気アクションシリーズに登場した名品について考察する。
映画評論家の町山智浩氏は、2023年7月に出演したTBSラジオ『こねくと』で最新作の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』について語っていたことがある。実はこの映画の最大のウリは「トムがスタントマンを使わずに自分自身で非常に危険のアクションをするところ」だと力説していた。さらにこの作品はまだストーリーが決まっていない段階で、トムが撮りたいと思ったアクションシーンから先に撮影をスタートし、後から「必要なストーリーを監督のクリストファー・マッカリーって人がでっち上げていくんですよ」と笑う。最新作のハイライトは、崖からバイクでダイビングする場面だろうが、この場面が先に撮影されたことになる。
そんなこのシリーズにおけるトムのアクションシーンの中で、多くの人の記憶に残っているのが、4作目の『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(11年)ではないだろうか。この作品でトム演じるIMF諜報部員のイーサンとそのメンバーは、核兵器の発射コードをもつ敵に対して罠を仕掛けるためにUAEのドバイに向かう。敵側と遇う場所になったのが、高さ829.8mのドバイの超高層ビル、ブルジュ・ハリファだ。当時、このビルは世界一の高さだったと記憶している。トムはこのビルの外側の窓ガラスに文字通り張り付くだけでなく、壁面を横方向に跳ぶようにも移動する。
この時のトムのスタイルはいつものように黒のTシャツにボトムスは膝下まで黒のパンツ。スポーティなサングラスをかけ、手にはめているのは、壁に張り付き、トムの身体を支えてくれるハイテクなグローブだ。この時、トムが履いていたのが5,10(ファイブテン)というブランドのクライミングシューズ。ソールがラバーで、壁などに吸い付きやすくするためにフラットな形状になっているのが特徴だ。ボルダリングなどにも使われるが、トムはこの靴で印象に残るアクションシーンに挑んでいる。
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クライミングシューズの名ブランド、スポルティバ
今回紹介するクライミングシューズは、イタリア生まれのスポルティバというブランドの製品だ。76年に完全なフラットソールをもつ革命的なクライミングシューズ「スーパーウィンクラー」や「ヨセミテ」を世に送り出した、クライミングシューズの先駆者的ブランドでもある。スポルティバが北イタリア山麓のヴァル・ディ・フィエンメで創業されたのは1928年。前述のように登山・クライミング・トレッキングなどの分野で革新的な製品を生み出し、世界中のトップアスリートからも愛用されている。現在でも北イタリアに工場を構え、ほとんどの靴は熟練した職人たちの手作業によって1足1足丁寧につくられている。
そんなスポルティバのクライミングシューズの代表作が「アラゴン」だ。足馴染みの良い柔らかなスエード素材をアッパーに採用。両手で簡単に着脱できる「ダブルプルタブ構造」や自然な足の状態を維持できるやや長めのトゥボックスデザインなど、クライミングする時に必要とされる多くの特徴をもつ靴だ。ビギナーでも使いやすいように考えられているので、これからクライミングを始めようとする人にも絶好の一足。
ちなみにトムはシリーズのほかの作品でもクライミングシューズを履いている。2作目の『M:I-2』(00年)の冒頭でロッククライミングを披露しているが、これはアメリカのユタ州で撮影されたもの。1作目の『ミッション:インポッシブル』(96年)でCIA本部に天井から潜入し、宙吊りになる有名なシーンでもクライミングシューズを履いているという話もある。ミッションを完璧にこなすためには道具=シューズもそれに適したものを選ぶことがとても重要だ。アクションを自らこなすトムは、それをよく知っているのだろう。
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日本用品 スポルティバジャパン・ディビジョン
TEL:03-3841-6965
www.sportivajapan.com
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