【Penが選んだ、今月の音楽】
『リーン・イン』
アメリカのジャズ教育機関の最高峰セロニアス・モンク・インスティテュートで同窓だった、実力派女性シンガーと西アフリカ・ベナン共和国出身の個性派ギタリストによるコラボ作。パーカッシブで軽やかなルエケのギターに乗せて、グレッチェンの伸びやかな歌声が弾けるさまに自然と笑みが浮かぶ。アフリカ南部のクリック音を用いるボーカルとたゆたうアフリカン・グルーヴの中にブラジル音楽のエッセンスも漂うクライマックスのカバー「アイ・ミス・ユー」が白眉にして本作の象徴。素朴で芳醇な大人のジャズ。
※この記事はPen 2023年9月号より再編集した記事です。