スーパーSUV「ランボルギーニ・ウルス ペルフォルマンテ」に乗った。馬力は666馬力に引き上げられ、よりサーキット向けの足回りに換装されたハイパフォーマンスモデルだ。ウルスといえばデビュー以来、北米ショウビズ界のセレブ人気が圧倒的。今夏、ブームになった映画『バービー』よろしくラッパーのニッキー・ミナージュあたりにピンクに塗られそう(笑)。
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エッジのたった好戦的なデザインと押し出しをもちながら、ハイパフォーマンス化をこなしつつ、 ファミリーカーとして成立しなればいけない。ランボルギーニはカーボンパネルやチタン製マフラー、特注鍛造ホイールを採用することによって47kgの軽量化に成功。さらにエアサスが常識のスポーツSUVにあって、スプリングサスを標準より20mm低い高さで固定した。ともかく勝因は鋼鉄のスプリングサスの採用に尽きるんだ。
乗り心地は硬めながらも、バネの伸縮している様子が分かるハイエンド仕様。これね、エアサスだとぼんやりしがちな路面の解像度をぐっとあげてるのね。それもステアリングに伝わる情報は制限して、低音のようにシートから感じ取らせる意図をもっている。走りのモードをスポーツ、コルサとあげていくと本領発揮で、低めの車高とアンチロールシステムがしっかり効きつつ軽量化も実感できる。ペルフォルマンテの名前にふさわしく、サーキットに持ち込みたいSUVとして間違いなしなんだな。
アクセルを踏み込めば、ほんの一瞬だけ世界が止まったような間があった後に猛烈な加速が始まる。3000〜7000回転まで一気にまわり、高速域でさらにアクセルを踏み込むと排気音は爆音へと変わる。アクセルを戻せばランボルギーニらしく、雷鳴がとどろくようなアフターファイヤー音がこだまする。
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峠に持ち込むとややアンダーなフラットで、驚くほど自然なステアリングフィールでコーナリングをこなせる。これは気の利いたトルクベクタリングの勝利なんだけど、超攻撃的な外観から想像できないぐらい、素性の良いスポーツカーのような走りをする。さらに今回、初導入された「ラリーモード」がめちゃくちゃ楽しいのだ。
試乗した日はあいにくの土砂降りの雨だったんだけど、コルサに較べれば出力特性と排気音を抑えてハードなコンディションへのストレスを和らげてくれる。さらに足回りのトルクを横方向にわずかに緩和することで、活き活きとした挙動を実現するんだ。
ルーズな路面でも積極的に踏み込んでいけるし、スポーツSUVにおける「揺らす足回り」は昨今のトレンドでもあるけど、本気のオールラウンダーとして速さを追求するウルス・ペルフォルマンテは「一歩先を行ってる」と思ったね。出力をスポイルするセッティングではなしに、巧みなトルクベクタリングでルーズな路面を攻める感覚を失わせないのは、さすがだなって感じ。
そうそう。ノーマルモードのストラーダで走らせていると、洗練されすぎていて「これ本当にランボルギーニなの?」って気にもなるのよ(笑)。でも足回りの解像度の高さから、低速でも剛性感の強いスポーツカーを運転している印象は変わらない。この「洗練と解像度」に繋がるのがオーディオ・システムなんだ。
搭載されているバング&オルフセンのオーディオ・システムはマジでやばくて(笑)、ほぼスタジオ仕様といって過言でない明瞭な解像度で音像が立ち上がる。音楽が聴きたくてボリュームをあげるのではなく、デザインされた空間の中で、ぶ厚く立ち上がっていく解像度の高い音像を楽しむためにフル・ボリュームにするのよ(笑)。「スーパーSUVによいサウンドシステムって必要なの?」っていうのは愚問ですよ。
ウルスって販売の主戦場である、北米のジェンダーダイバーシティな世界も意識している。映画『バービー』でいえばボーイフレンドのケンとその男友達たちに支持されるのは当たり前だけど、バービーランドのど真ん中を、走り抜けて世界中のバービーたちに受け入れられることも大事。エッジになるアイコンがあり、他のSUVとは一線を画する特別な存在であることが重要なんだ。
ランボルギーニ・ウルス ペルフォルマンテ
サイズ(全長×全幅×全高):5137×2026×1618mm
排気量:3996cc
エンジン:V型8気筒ツインターボ
最高出力:666ps/6000rpm
最大トルク:850Nm/2300~4500rpm
駆動方式:4WD(フロントエンジン4輪駆動)
車両価格:¥34,998,464(税込)
問い合わせ先/ランボルギーニ カスタマーサービスセンター
TEL:0120-988-889
www.lamborghini.com