【東京クルマ日記〜いっそこのままクルマれたい〜】 第180回“安心してください!パートナーとも持続可能な3ペダルのスポーツクーペはあります!”

  • 写真&文:青木雄介

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フロントの四角いエアインテークが特徴的な新型M2。

なぜクルマ好きは3ペダルの「M2」と聴くと、思わず身を乗り出すのか? BMWのコンパクトサイズのボディに直6エンジンをフロントに置き、シフトスティックを生やし、後輪を駆動させるからですよ(笑)

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「M3」と同じカーボンバケットシート(オプション)を装着し、曲面ディスプレイを採用するなど進化がめざましいインテリア。

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速さを追求するなら3ペダルは時代遅れだし、安定感ならミドシップや4WDを選びたい。では、なぜM2のような後輪駆動クーペが王道なのか? これは、音楽におけるロックンロールの王道感にどこか似ている。

ミック・ジャガー風に「たかがスポーツクーペ。でも俺は好きなんだ」と斜に構えればもはや王道(笑)。若い世代の走り好きには、あいみょんの『君はロック(の王道感)を聴かない』を推したい。

歌詞の切ない恋心はスポーツクーペのドライブにだって重ねられるんだ……。聴かせたい相手は助手席にいないかもしれないけれど、関係ないね(笑)。ロックもスポーツクーペも、王道とは疾走したい衝動とエモーションの高まりにあるからだ。

いかついカーボンバケットシートにホールドされながら、左手にシフトノブ、右手にハンドルをガチっとつかめば、気分はモビルスーツで出撃するオペレーターのよう。ラリードライバーのようにハンドル近めのポジションで、最もスポーティな設定が施されたM2ボタンを起動させよう。

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Mシリーズ上位モデルと同じS58型の3ℓ直列6気筒ツインターボエンジン。

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新型M2は狂おしい直列6気筒エンジンの叫びとともに、身をよじらんばかりに加速する。てっぺん目指してダイナミックに回るエンジンは、ややオーバースペック。先代までは過剰だったテイストが新型M2だとハンドリングにも足回りにも余裕として感じられる。ボディサイズも広がり、車重も値段も上がったけど、高級スポーツクーペの進化と考えれば納得もできるかな。

得意の峠に行けば躍動感のある動きでドライバーの意志に応える。DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)が効いてる状態では、ハンドリングはフラット。DSCを切ろうとするとMDM(Mダイナミックモード)とDSCオフの2モードが選択できる。

MDMはハンドリングのアシストはなくともトルクコントロールは自動なので、ややアンダー気味にしつけられている。かつて峠で腕を鳴らした諸兄なら、ハンドブレーキが欲しくなるモードだね。

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詳細な走りのディテールを明らかにするドリフトアナライザーの起動画面。

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もうひとつのDSCオフはドリフトアナライザーが起動し、トルクコントロールを10段階で調整できる。ほとんど介入させないとオーバーステアリングなゴリゴリのアクセルドリフトモードに突入ですよ。実際、BMWに自分のドリフトをアナライズしてもらうかは置いとくとしても(笑)、熟練ドライバーから初心者まで操れる、幅のあるハンドリング特性が新型M2の大きな魅力といえるんだ。

そしてクライマックスといえるのは足回りの進化。コンフォートで乗るとMモデルに乗っているのを忘れるほどに快適すぎる。助手席のキミは「スポーツクーペには乗らない」って言うかもしれないけれど、「安心してください! よいアシ履いてます」って感じ(笑)。王道は王道としてスポーツクーペにも持続可能性が問われる時代だよね(笑)

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巨大なフレアホイールアーチと一体化したバンパーに、クワッドテールパイプを備えたリアビュー。

BMW M2 クーペ

サイズ(全長×全幅×全高):4580×1885×1410㎜
エンジン:直列6気筒DOHC
排気量:2992㏄
最高出力:460ps/6250rpm
最大トルク:550Nm/2650~5870rpm
駆動方式:FR(フロントエンジン後輪駆動)
車両価格:¥9,580,000
問い合わせ先/BMWカスタマー・インタラクション・センター
TEL:0120-269-437
www.bmw.co.jp

※この記事はPen 2023年9月号より再編集した記事です。