企業の心をつかめるか? かかりつけ医のような新“弁護士サービス”

  • 文:野呂エイシロウ

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筆者が弁護士を意識したのはいつの頃だろうか?

いまから15年ほど前からだろうか。契約書のことなどがあって、縁あって顧問弁護士をつけた。筆者が弁護士に頼っているのは、契約関係や、「これって法律的にどうなのか?」という相談をすることが多い。あとは筆者は本も書いているので、著作権や意匠権、商標権の相談もある。

でも、よく聞かれるのだ。「弁護士はどうやって選べばいいのか?」などなど。大手町界隈にある巨大なファームにも行ったことがあるが、ちょっとハードルが高い気もする。受付がデカくて、豪華な会議室がずらりと並ぶ…。ドラマ『SUITS』の世界がそこにある。皆さんめちゃ高級なスーツを着ていた。笑。

最近は、ネットで簡単に法律の情報を得ることができる弁護士ドットコムなどもあるが、法律相談の情報が集まっているサイトのようだ。ID登録すると相談したり、弁護士を探したり、見積もりを取ったりすることもできるそうだ。本当に弁護士を探すのは難しい。

顧客企業の法務部的役割を担う新サービス

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和氣良浩代表弁護士。

そんな中、企業向けに法務部的なサービスを行う「みんなの法務部」が登場した。このサービスを運営する弁護士法人ブライトの和氣良浩代表弁護士に話を伺った。

「『みんなの法務部』は、企業の法務部として、顧客企業が抱える法的リスクを事前に検知して予防策を講じていきます。法的リスクが顕在化してトラブルになった場合には、企業とともに適正・迅速な解決を図っていく役割を担います。予防策やトラブル対応で、弊所が提供するサービスでは対応できない時は、他の弁護士に相談・依頼することになりますが、その場合でも、法務部として課題解決に向けて伴走することになります」

筆者の会社は小さな会社なので、法務部的な組織はない。でも、ある程度の企業になると、先程のように契約から金銭トラブルなど色々なことが生じるだろう。また企業同士双方の解釈の違いなども有るだろう。

「従来の顧問弁護士との違いを申し上げますと、従来の弁護士の業務は、どちらかというと紛争やトラブルが発生した後に、いわば受け身的に相談を受けるというもので、かつ企業としても顧問弁護士からのアドバイスを参考にしながら社内で解決していくことが大半だったと思います。しかしこれでは企業として、リスクマネジメントができず、対応が後手後手になってしまいますし、解決のために多大な人的資源を投入せざるを得ない状況であるように思います」と和氣弁護士。

「法務ドック」を受け、予防的に法務リスクを確認

では、新しく誕生した「みんなの法務部」は、これまでの顧問弁護士と、どこが違うのだろうか?

「『みんなの法務部』は、数多くの企業の法務部として、企業の法的リスクを検知しながら、解決策の提案から実行までを担っていきます。まずは人間ドックのように「法務ドック」を受けていただき、予防的にクライアントの法務リスクを確認し、積極的に解決のご提案をいたします。」と和氣弁護士。

なるほど、筆者も弁護士さんに連絡をするのは、必要な時のみ。月に1時間も世話になっていないが顧問料は発生している。

この「みんなの法務部」、気になる費用は、月額費用5万円、10万円及び20万円のプランが有り(いずれも税別)、彼らが業務に費やす時間はそれぞれ、3時間、7.5時間及び19時間と設定しているという。

筆者の顧問弁護料と変わらないが、7.5時間もやることがあるのだろうか???と思ったら、契約書の詳細を相談をしたり、契約の戦略を練ったり、さらに残った時間を翌月につぎ込むこともできるという。その他にも、さまざまな相談などをしていると意外と時間を要するのだという。

必要があれば、裁判にも対応

「必要とあらば、裁判もします。私は弁護士として17年あまり、多数の訴訟に対応してまいりました。すべてはクライアント様の利益を確保し、事案に応じた適正な解決を目指すためであり、必要あると考えれば躊躇なく裁判所の判断を仰ぐこととしております」と和氣弁護士。

「なお『みんなの法務部』のクライアントには、着手金を20~30%割り引かせていただいています。これは日頃のお付き合いにおいて、既にクライアントの事情を知っているため、初期のヒアリングコストが一定程度低くなるからです。他方、単発案件はお請けしておりません。お互いのことを理解しないまま個別事案の解決を図っても、真の問題解決にはならないと考えているからです」と和氣氏弁護士。ガッチリ手を結ぶのだろう。サービス開始から間もないにもかかわらず、約70社が活用中。利用するのは、上場企業から中小企業、伝統ある企業から起業間もないスタートアップ企業まで、業種や規模もさまざまらしい。

具体的なサービスについては、ぜひ公式HPを確認してほしい。

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1年後には150社、3年後には300社の登録を目指しているという「みんなの法務部」。

「企業が事業を成長させ、組織として、資金調達、契約取引、従業員雇用を行う中で、法務リスクは必ず発生するものですので、常にリスクマネージメントを行う必要があり、そのためには法務部を設置する必要があります。他方で相当な企業規模にならなければ法務専属のスタッフを置くことができない、スタッフを採用・育成したとしても属人化し、退職するリスクがあるもあろうかと思います」と息が荒い。

法務部があるというだけで安心感もある。縁の下の力持ちで日本企業の成長を支えてしてくれるかもしれない。興味津々だ。

みんなの法務部

https://law-bright.com/corporationlaw