「ごみ箱出しておいて」を“文字通り”実践…「お出かけ」させてしまったお隣さんが話題に

  • 文:松丸さとみ
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richard johnson-istock ※画像はイメージです

イギリスのあるカップルが、海外旅行に行っている間に、ごみの日に自分たちのごみ箱を出しておいて(take our bin out)と、隣人に頼んだ。この依頼で“言葉遊び”を思いついた隣人家族が、ごみ箱を地元の町に「お出かけ」(take the bin out)させ、記念写真を撮って話題になっている。

度を超えたおやじギャグ…家族もノリノリで

ごみ箱をお出かけさせたのは、イギリス東部のリンカーンシャーにあるカートンという小さな町に住むトリ・ガブリエルさんだ。隣人のカップルから、ポルトガルへ旅行に行くので、ごみの日にごみ箱を出しておいてほしい、とお願いされた(ホイール付きの大型ごみ箱をごみの日に自宅前に出しておくと、回収車が来て中身を収集するシステム)。

そこでトリさんは、隣人の「take our bin out」という言葉を文字通り解釈する、という言葉遊びを思いついた。つまり、隣人のごみ箱をお出かけさせてあげるのだ。トリさんに言わせると、「度を超えたおやじギャグ」だ。しかしこのアイデアを夫に話したところ、「じゃあどこへ連れて行こうか!?」と返ってきて、娘2人もノリノリでごみ箱に目と髪を付けてくれたという。ごみ箱には、「bin」(ごみ箱)に親愛を表す「-y」を付けて、「Binny」(ビニー)と名付けた。

地元の人たちとふざけて笑い合う――「今の時代、必要」

こうして、ビニーのお出かけが始まった。スーパーマーケットやフィッシュ・アンド・チップス屋さんで買い物をするビニー。パブでトリさんの娘たちと1杯やるビニー。「ビニーが行きたそうなところならどこでも立ち寄った」とトリさんは英メトロに話している。

娘たちも、あそこに連れて行こう、ここに連れて行こうとアイデアを出してくれた。公園で滑り台などの遊具で楽しそう(?)に遊ぶ姿や、町役場の銅像の前で娘たちとベンチに座る姿が写真に収められた。

顔を付けた大きなごみ箱を連れ回して写真を撮っている姿は、きっと不思議な光景だったに違いない。通りがかりの人の中には、何をしているのかと聞いてくる人もいた。事情を話すと、みんな面白いと言ってくれた。そして自分もビニーになにかしたいと言い出す人も少なくなかったという。犬の散歩中だったある女性は、ビニーが犬を散歩させている写真を撮ったらどうかと言い、自分は後ろに隠れ、まるでビニーが犬を散歩させているような写真を撮らせてくれたという。トリさんは、「皆、本当に楽しんでくれて笑顔になってくれた。いまの時代、それって必要」と話す。

ポルトガル旅行から帰国した隣人は、自宅にあるごみ箱を見てびっくりした。「うちのごみ箱、なんで目と髪が付いているの?」と連絡が来て、トリさんはなにをしたかを説明した。撮っておいた写真を見せたところ、「オーマイゴッド、こんなことしたなんて信じられない!」と笑ってくれたそうだ。それらの写真は、留守であることがバレないよう隣人の帰国を待ってから、Facebookの地元のページに投稿。すると、イギリスの主要メディアの多くが取り上げるほどの話題になった。

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“おでかけ”したゴミ箱。