元量子物理学者の彫刻家がつくる、SFのような不思議な作品がバズり中!

  • 文:稲石千奈美

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PORTLAND ポートランド/アメリカ

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ハリウッドヒルズにある私邸のプールからロサンゼルスの絶景を見晴らす作品『アナベル』は、見る角度を変えると膝を崩して座る女性像と分かる。 © Courtesy of the artist/Julian Voss-Andreae

アメリカのポートランドを拠点とするドイツ人彫刻家、ジュリアン・ヴォス-アンドレの作品が、SNSでバズっている。

ヒト型の大きなオブジェは、緻密な計算のもとに成形した金属板を平行に配置し立体化したもの。見る角度が変わるとソリッドな形が徐々に消え、正面から見ると周囲と一体化してほぼ見えなくなる。確かに存在していた金属製の彫刻が、見る者が動くことで見事に消えゆく体験は、「真実」や「存在」を問う量子物理学者らしいコンセプト。リアリティとどう向き合うべきか。オブジェと自分、環境との関係性とはなにか。量子物理学を研究した芸術家が、宇宙レベルで問いかけてくるかのようだ。

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『クンダリーニ』は、ステンレス板を縦に並べた直立する人体像。 © Courtesy of the artist/Julian Voss-Andreae

※この記事はPen 2023年9月号より再編集した記事です。