風・光・水をテーマに、自然のエネルギーの力で動く彫刻作品で知られる世界的アーティスト、新宮晋。ポンピドゥー・センター、IBMトラベリング・パビリオン、チバウ文化センターなど数々の斬新な建築を手がけ、前衛的でありながらもその場所の風土との調和を大切にする建築家、レンゾ・ピアノ。日本とイタリアを代表する二大巨匠のコラボレーション作品を紹介する、『Parallel Lives 平行人生 ― 新宮 晋+レンゾ・ピアノ展』が、大阪中之島美術館にて2023年7月13日(木)から9月14日(木)にかけて開催される。
タイトルの「Parallel Lives(パラレル・ライブス)平行人生」は、ギリシャの哲学者プルタルコス(1〜2世紀)が、複数の共通点をもつふたりの偉人を比較した列伝のタイトルに由来する。同じ年(1937年)にそれぞれ日本とイタリアに生まれ、世界各地で精力的に活動しながら数々の作品をともに手がけてきた新宮晋とレンゾ・ピアノ。今回の展示では、そんなふたりの「平行人生」の軌跡をたどりながら、コラボレーション作品を中心にそれぞれの活動や作品も合わせて紹介する。
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芸術家と建築家のコラボレーション
ふたりが出会うきっかけとなったのは、関西国際空港旅客ターミナルビルの国際建築コンペだった。設計建築家として選ばれたピアノが、「風のアーティスト」として注目を集めていた新宮に「空気の流れを見えるようにしてくれないか」と依頼をしたのがふたりの協働のはじまりだ。そうした出会いを経て、国際線出発フロアの『はてしない空』が生まれた。
ふたりのクリエイティビティはその後も共鳴しつづけ、世界各地で数多くのプロジェクトをともに手がけてきた。1985年から92年にかけて実施された「ジェノヴァ港再開発」にはじまり、「銀座メゾンエルメス」(2001年完成)、「スタヴロス・ニアルコス財団文化センター」(2016年完成)など、ピアノが設計を手がけたいくつものプロジェクトには、新宮の作品が華麗にコラボレートしている。
同展では、二大巨匠の偉大な歩みを振り返る「平行人生」年表のほか、ともに手がけた10を超えるプロジェクトを、さまざまな模型やプロトタイプなどの資料を通して紹介。また、イタリアの映像作家グループ、スタジオ・アッズーロがふたりの作品をもとに制作した映像も公開。コラボレーションの世界をダイナミックに体感できる内容だ。
会期初日の7月13日は新宮晋の、最終日の9月14日はレンゾ・ピアノの誕生日。ともに86歳を迎えるふたりだが、まさにいま日本で進行中の最新プロジェクトも特別に紹介。芸術家と建築家が織りなす夢と冒険に満ちた創造世界を、ぜひこの機会に味わってみては。
『Parallel Lives 平行人生 ― 新宮 晋+レンゾ・ピアノ展』
開催期間: 2023年7月13日(木)〜 9月14日(木)
会場: 大阪中之島美術館 5階展示室
TEL: 06-4301-7285 (大阪市総合コールセンター) 受付時間 8:00-21:00 (年中無休)
開館時間: 10時〜17時 ※入場は閉館の30分前まで
休館日: 月曜 (7月17日は開館)
料金: 一般¥2,400
https://nakka-art.jp/exhibition-post/parallel-lives