キャッチャーの思い違いで逆転負け…米高校野球の優勝決定戦で起きた珍事が話題に

  • 文:山川真智子

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※画像はイメージです istock

アメリカの高校生野球のトーナメント決勝戦で、勝ったと思ったチームが歓喜する中、相手チームのランナーが続々とホームに帰り、逆転負けの判定が下ったという珍事が起きた。一転して敗者となった選手たちに同情しつつも、このシーンを見た多くの人にとっては、野球のルールを再確認する機会となったようだ。

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最後のボールを落していた…まさかの大どんでん返し

この珍事は、5月27日に行われたニューヨーク州セクションVクラスB1の、ホーネル高校とパルマイラ・マセドニア高校(略称パル・マック)の優勝決定戦で起こった。

リードしていた守備側のホーネルは、最終回となる7回裏、5-4とパル・マックに1点差まで詰め寄られた後、2アウト、ランナー1塁、2塁で、次のバッターを打席に迎えた。バッターは2ストライクを取られた後、3つ目のストライクを振らず、アンパイヤが合図をして三振で試合終了かと思われた。

ところが、実は最後の球はキャッチャーが取りこぼし、地面に落下していた。野球のルールでは、たとえ1塁にランナーがいても、2アウトであればボールは取るかランナーにタッチしなければならない。

ボールを拾ったホーネルのキャッチャーは、勝ったと確信してボールをポケットにしまい、マウンド上のピッチャーに駆け寄って行った。ホーネルの他の選手もマウンドに集まって歓喜に沸いていたが、その間にパル・マックのバッターが走って1塁セーフとなり、塁に出ていた2人のランナーが戻って逆転勝ちする結果となった。

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ランナーが帰るまでほぼ気づかず…実況解説者も困惑

試合のビデオを見ると、ボールを落したホーネルのキャッチャーは、バッターが走り出した直後にタッチしようとしたようにも見え、審判を振り返っていた。このときバッターがアウトになったと思い、勝利を確信してしまったようだ。

一方審判は、キャッチャーがバッターにタッチ出来ていないと見て、『セーフ』のジェスチャーを出していた。しかし背を向けマウンドに向かっていたキャッチャーには、それが見えなかったようだ。バッターのほうは、自分がタッチされたとは思っていないという。

動画では、チームメイトが集まり歓喜に沸くなか、2塁手と思われる選手がしきりにホームを指さして試合が続いていることを仲間に知らせようとしていた。解説者も気づいて「何が起こっているんだ?」と困惑。審判がパル・マックの勝利と判定したのを確認し、「今まで見た中で最も不思議な結末だ」と述べた。

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意外と知られていないルール ソーシャルメディアに質問続々

地元メディア、ホーネル・サンによれば、ホーネルのコーチは結果に抗議することはなく、自分にも責任はあるという見方を示した。負けてしまった選手たちには、「明日また太陽は登り、人生にはもっといいことが起こる」と話したそうだ。そして、失敗を忘れず認め、常に互いの背中を押していこうとアドバイスしたという。

今回の試合の動画は、ESPNの番組『スポーツセンター』でも放映され話題になった。また、再生回数も600万回を超えており、主要スポーツメディアからもコメントが寄せられたという。

ソーシャルメディアでは、「かわいそう」「後味悪い」などのコメントがたくさんあった。それ以上に、野球のルールについて質問したり説明したりする投稿が相次ぎ、多くの人が、今回のルールを知らなかったことも判明した。

さらに、両校のチーム名がどちらもレッド・レイダーズで、ユニフォームがどちらも赤だったことも見る人を混乱させており、「こっちも何とかして」というコメントも多かった。

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(問題のシーン。キャッチャーは優勝したと思っていたよう)

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試合全部を収めた動画。

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 地元メディア、ホーネル・サンは、キャッチャーを勇気づけるコラムも掲載。

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ルールを解説する投稿。三振でアウトというのは基本的ルールだが例外もあることを指摘。