ラグジュアリー・ライフスタイルホテルのW大阪は、ストリートカルチャーに精通したフランスの人気アーティスト、ルーカス・ビューフォートとの大規模イベントを実施した。ルーカスによるW大阪でのライブペインティングや、コラボレーションスイーツの提供など、まるでホテル全体がルーカス作品に変貌したかのような特別な時間。本記事では、その様子をレポートしたい。
W大阪は2021年3月にオープンした、心斎橋の御堂筋沿いに立つホテル。世界的建築家である安藤忠雄がデザイン監修を手がけ、黒を基調としたきわめてシンプルな外観からは想像のつかない華やかで遊び心あふれる空間が広がっている。
季節によりさまざまな色に移り変わるライトに囲まれたトンネルを抜けると、幾何学的な椅子や天井が特徴的なエントランスへ。心斎橋の街の雰囲気からは打って変わって、まるで『不思議の国のアリス』の世界に迷い込んだかのようだ。
鮮やかなネオン煌くエレベーターで3階に上ると、道頓堀をイメージした照明や、提灯を模したランプシェード、DJブース、カラフルなインテリアが並ぶリビングルームに通じる。
客室は、障子を思わせるパーテーションに、畳からイメージした曲線的な椅子など、独創的なデザインながらどことなく和の要素も感じさせる。
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大胆な遊び心あふれる、現代のラグジュアリー空間
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聴きながら、飲みながら、パーティスタイルのペインティグ
そんな遊び心あふれるデザインが目を引くW大阪が、心斎橋ストリートカルチャーの発信地として招いたのが、前述したルーカスだ。
ルーカスは画家、イラストレーター、映画製作者、写真家などとして活躍し、軽快な線で描かれた愛らしい人気キャラクター「ガスガス」でも知られている。そのエネルギッシュな活動がWブランドの姿勢とも重なり、今回の新たな試みが実現した。
DJブースから心地よいサウンドが流れる中ライブペインティングが始まると、1〜40までの数字が裏にナンバリングされた40枚のキャンバスをつなぎ合わせた大きな白地にスラスラと描いていく。
16時から20時のたった4時間で、これほど大きなキャンバスを描き上げられるのだろうかと思うのも束の間、ルーカスは観客と談笑しながら、提供されたドリンクを飲みながら、と余裕の表情で着色に入っていった。
最終的には、19時を過ぎた頃には完成させてしまった。やわらかな曲線で形成された柄のようにも見えるが、注視するとルーカス作品ではお馴染みの「ガスガス」のようなキャラクターが浮かび上がってくる。
そして完成後、40枚のキャンバスは同様にナンバリングされたリストバンドを付けた観客のもとにそれぞれプレゼントされた。まさに、描いた作品をそのまま“TO GO(持ち帰り)”できるというユニークなイベントだ。40枚から成る作品が、場内の40名を特別に「つなぐ」というテーマにも通じている。
また、ホテル1階のアート・ペストリー・バー「ミックスアップ」では、ルーカスが店内で制作した作品を展示し、チョコレートを絵の具に見立ててつくられた限定スイーツも販売。思わず笑みがこぼれてしまう仕上がりだ。
今回のイベントのみならず、常に驚きと新しさを提案するW大阪。チャレンジングな今後の取り組みにも目が離せない。