天然食材を摂り自然と共存してきた、日本人の豊かな食文化紀行

  • 文:瀧 晴巳(フリーライター)

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【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『日本の自然をいただきます 山菜・海藻をさがす旅』

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ウィニフレッド・バード 著 上杉隼人 訳 亜紀書房 ¥2,200

アメリカ人の著者は、長野県松本市で暮らしていた時に隣人の案内で山菜採りをして、そのおいしさに感激。日本の天然食材に興味を抱く。春になれば、フキノトウやタラの芽を摘んで天ぷらにして食べる。それは畑で栽培された食物とは異なる滋味あふれるご馳走だ。とはいえ、里山の森の豊かさも天然の海藻もいまや危機に瀕している。北海道から九州まで天然食材を求めて旅した本書は、その土地の古来の食文化をひも解きながら、日本人が自然を食することで自然と共存することを学んできたと、改めて教えてくれる。

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※この記事はPen 2023年6月号より再編集した記事です。

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【画像】天然食材を摂り自然と共存してきた、日本人の豊かな食文化紀行

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