ガラスで表現する「祈りのかたち」 光の芸術家、三嶋りつ惠の個展が開催中 

  • 文:Pen編集部

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アーティスト、ガラス作家の三嶋りつ惠の個展「祈りのかたち」が5⽉27⽇(⼟)まで東京・六本木のシュウゴアーツで開催中だ。

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三嶋りつ惠《DEA》2023, glass, 46×36.5×32.5cm/《VENERE》2023, glass, 36x23x22cm/《RIVERBERO》2023, glass, 35x18x18cm

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1989年にヴェニスに移住し、やがてムラノ島のガラス⼯房に通い始めた三嶋。当初より光そのものを作品の重要な要素とし、その豊かな表情や陰影を、無⾊透明のガラスを通して表現し続けてきた。

2022年には、⽇本⼈アーティストで初となるヴェニスの国⽴アカデミア美術館で個展を開催。彼女のヴェネツィアンガラスの⽂化や歴史に対する深い造詣と⾰新的な表現が認められ、同時期に開催されたヴェニスガラスウィークの「最優秀プロジェクト賞・Fondazione di Venezia Award」を受賞。さらに、輝く⼥性の功績を讃える「ブルガリ アウローラ アワード 2022」でも表彰された。

「祈りのかたち」は、三嶋が⻑年の制作を通して構想を培ってきたコンセプト。誰かを思い起こすとき、強い信念に導かれるとき、感謝を感じるとき、人々は象徴的なものを拝したり、⾝につけたりすることで⼒を得てきた。この世界に存在する様々な次元のレイヤーと現実を繋ぎ合わせる「かたち」——。光の芸術家、三嶋りつ惠の新作に注目だ。 

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Copyright the artist, Courtesy of ShugoArts, Photo by Shigeo Muto
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Copyright the artist, Courtesy of ShugoArts, Photo by Shigeo Muto

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「私は年の初めや折に触れて神社へ参拝に⾏くが、⼿を合わせた先に配置された鏡や真っ⽩な紙垂にいつも⾒⼊ってしまう。博物館にある古来の神具を眺め、なぜこのような形態なのかと不思議に思う。私は⼈々が⽬に⾒えない何かを敬うために、作りつづけてきた『かたち』に惹かれる。

ここ3年くらいの間に、家族や友⼈が他界し、また⼤切な⼈を亡くされた⽅に出会う機会が多くあった。⼈はいまここにある現実を超えて、誰かに想いや祈りを馳せるとき、何らかのフォルムを求めるのではないだろうか。以前から⾃分のガラスにも神秘が潜んでいるように感じていた。今回改めて『祈りのかたち』を探求する旅を始めようと思う」

2023年3⽉ 三嶋りつ惠

三嶋りつ惠個展「祈りのかたち」

会期:2023年4⽉22⽇(⼟)〜5⽉27⽇(⼟)
開廊時間:12時〜18時 ※⽇・⽉・祝は休廊
会場:シュウゴアーツ
住所:東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
企画:⽯井美奈⼦ 

https://shugoarts.com/news/64801/