フランスの社会福祉・連帯閣外相を務めるマルレーヌ・シアパ氏（40）が、プレイボーイ誌フランス版の表紙を飾った。胸と脚を強調する表紙のポーズが不適切とされ、党内からも批判が相次いでいる。
4月・6月号の表紙に登場した彼女は、オフホワイトのシンプルなドレス姿を披露。胸元はざっくりと開き、脚部も付け根付近まで露わになっている。
シアパ氏はカウチに腰掛け、前のめりで脚を大きく開く挑発的なポーズを取っている。カメラ外にあえて外した視線とドラマチックなライティングが相まって、しなやかな肢体を強調しながらも威厳を漂わせるかのようだ。
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シンプルな画面構成に際立つ姿
表紙は「PLAYBOY」のタイトルとロゴ以外には、巻数の表示があるだけのシンプルな構成だ。それだけに、暗闇に照らし出された氏の存在が際立つ。
背後にはフランス国旗が配されたほか、通常は単色で表現される誌名部分に関してもトリコロールを想起させる3色となっている。ひとりの女性であると同時に、フランスの政治を担う要人でもあることを強調したデザインだ。
大きく開いた胸元には、素肌に書かれた「49.3」の数字が覗く。ニューヨーク・ポスト紙は、フランス憲法の第49条3項を意味すると解説している。
フランスのボルヌ首相は3月、年金改革を野党の協力なしで強行すべく、同項の特例を適用して議会採決なしに法案を成立させる方針を示していた。
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党内外で怒りを巻き起こす
シアパ氏の大胆な表紙は、政界の火種となった。米CNNは「自身の政党から非難の的となっている」と報じている。
同局の系列局は首相筋のコメントとして、「適切とはいえない。特にこのタイミングでは」との見解を伝えている。年金問題が紛糾するいま、場外で新たな問題を巻き起こした形だ。
英BBCもプレイボーイ誌への登場を報じる中で、「しかしこの行動は、政敵と内輪の両方から怒りを買うことになった」と指摘する。
派手な表紙が目を引く一方、当該のプレイボーイ誌の本文では、真面目な政治問題を扱っているようだ。ニューヨーク・ポスト紙によると、12ページに及ぶ巻頭インタビューを通じシアパ氏は、女性やLGBTQの人々の権利問題を議論しているという。
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男女平等で実績を積んできたシアパ氏
女性の権利の向上活動に長年努めてきたシアパ氏は2017年、フランスで新設された男女平等担当副大臣に任命された。セクハラ規制法の指揮を執り、その実力が評価されてきた。女性に対する公の場での罵声や、ハラスメント、つきまとい行為などを法的に禁じる実績を挙げた。
BBCは政界入りする以前の経歴について、フランスのテレビ番組のトークショーによく出演していたと報じている。また、フェミニスト作家としての顔を持ち、母親たちの苦難や女性の健康問題、妊娠中の困難などを多く取り上げていた。
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取り組みの一方、過去にも批判が
熱心に社会問題に向き合う一方、BBCによると、氏はこれまでにもたびたび批判の的となっていたようだ。2010年には体重過多の人々に向けたセックスの指南本を執筆したが、ステレオタイプを助長する内容だとして反発を受けていた。
2017年には、セクハラ被害が頻発しているパリの一角にあえて立ち入った。英ガーディアン紙は2017年、パリの一部エリアで女性が「目線を下げろ」と蔑まれたり、絶えず口笛を鳴らされたりする状況になっていると報じている。
あえて立ち寄った氏は、女性は行くべきでないとされる慣習に異論を唱える目的があったとみられる。だが、単なるポーズに過ぎないと冷たい視線を向ける人々もあったという。
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氏は反論、「身体をコントロールする権利がある」
政治家としては異例のポーズで男性誌に出演したシアパ氏だが、党内外からの批判には断固として反発の姿勢だ。本人は、女性には自分の身体をコントロールする権利があると述べている。
「女性が自身の身体をコントロールする権利を護ることは、いつどこででも可能です。フランスでは女性は自由なのです。批判的な人々や偽善者たちにはお気の毒様ですが」
混乱中のフランス政界に油を注いだシアパ氏だが、年金問題への注目度を高めたという点では、ともすれば計算通りだったかもしれない。
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【画像】不適切…？」フランス大臣が雑誌の表紙飾る
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