増えてます! 50歳以降に成功したハリウッド女優たち

  • 文:さかいもゆる
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少し前には「女優は40歳を超えたら演じられる役がない」と言われていたハリウッド。しかし、先日のアカデミー賞では主演女優賞のミシェル・ヨー(60歳)と助演女優賞のジェイミー・リー・カーティス(64歳)が共に50歳以上で賞を獲得したように、最近では、女優たちが年齢を超えて活躍する場が増えている。

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60歳にしてアカデミー主演女優賞のミシェル

前述のミシェルは、1997年に『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』でボンドガールを演じたほか、2000年の『グリーン・デスティニー』などのハリウッド映画に多数出演。しかし最近では「年齢的にもう引退した方がいい」などと言われることもあったという。そんな声には耳を貸さず、2018年の『クレイジー・リッチ!』が全米で大ヒットしたことで再び注目を集め、今年度のアカデミー賞では主演映画『エブリシング・エブリウェア・オール・ ・ワンス』で、60歳にして初のアジア系女優の主演女優賞獲得という偉業を遂げたのだ。

生活にくたびれた主婦がマルチバースの世界に飲み込まれ、カンフーで悪と戦うという奇想天外な役を演じたミシェルは、50代以降の女優たちに希望を与えた。彼女は受賞スピーチでこう告げた。「女性の皆さん。あなたはピークを過ぎたなんて、もう誰にも言わせないでください」。

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映像の修正を拒否したジェイミー

同じ映画でミシェルと共演したジェイミーは、50代に入ってからも『ハロウィン』シリーズなどへの出演でコンスタントにヒット作に恵まれている女優のひとり。

ハリウッドのエイジズムと戦う彼女は、最近では米New York Times誌でヌードになり、写真を修正しないように編集部に掛け合ったという。「アンチエイジングの美容整形で一度顔を弄ると、その年代がもつ美しさが損なわれてしまう」とジェイミー。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でも、お腹周りの贅肉を映像で修正しないように頼んだ。「だって私は64歳の女性だから」。女性はいつまでも若く見えることが善だというナンセンスなエイジズムに苦しむ女性たちにとって、ジェイミーの勇気ある行動は希望となるだろう。

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73歳でも第一線で活躍するメリル・ストリープ

現在73歳のメリル・ストリープも、常に第一線で活躍し続けている。有名な『プラダを着た悪魔』も『マンマ・ミーア』も、彼女が50代に入ってからの作品だ。子ども3人を育て上げたアラ還のシングルマザーが再び恋をする、ナンシー・メイヤーズ監督の名作『恋するベーカリー』も良かった。Netflixの『ドント・ルック・アップ』で演じた女性大統領役では、ヌードのお尻を見せていたのも印象的。恋する女も鬼編集長もリアルに演じ分ける実力は、彼女のキャリアがあってこそ。

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ティルダ・スウィントンが62歳だと聞いて信じる人はいるだろうか。フローレスな肌で若い頃から印象が全く変わらない、妖精のような魅力をもった女優だ。彼女のいくつかの最高の役のうち、50代を過ぎてから演じたものも多い。たとえば『少年は残酷な弓を射る』がそれだ。

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61歳で現在再ブレイク中なのは、ジェニファー・クーリッジ。90年代に人気ドラマ『となりのサインフェルド』や『フレンズ』で人気を博した彼女は、ドラマ『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』で昨年、エミー賞を獲得。トレードマークの豊かなブロンドの巻き髪は相変わらず。フェミニンで可愛らしい、アメリカン・ビューティのイメージを地で行く彼女は、いつまでも若々しい。

こうやって見ると、ステレオタイプではない、さまざまな50代以上の女性の役があることがわかる。「女性はある特定の年齢を過ぎたらこうやって振る舞うべき」。そんな勝手な世間の固定観念を打ちこわしてくれる彼女たちに、感謝したい。

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